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聴こえないわたし 聴こえるわたし ~ことば&暮らし~

それぞれの「ことば」を「知ること」からはじめよう
by machi-life
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第35回(2009.10.18) 『新潟・全国障害者スポーツ大会』

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由    
    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。

"聴こえないわたし”-Chie東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き

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今年の新潟は大忙し!!

Chie: 今年の新潟は忙しいですね〜天地人、高校野球、トキめき新潟国体。

まうさんの妹さんも国体のボランティアに出かけたとのことですが、周りの方々もボランティアに行かれましたか?



Mau: 妹は介護福祉士を目指して専門学校で勉強をしているのですが、その授業の一環として泊まり込みで長岡で行われた全国障害者スポーツ大会のボランティアをさせていただきました。他にも私の周りにいる方が何人かボランティアに行ったようです。



Chie: 学生ボランティアも多かったみたいですね。新聞で学生の声が載っているのを読みました。まうさんは見に行かれましたか?


Mau: 私は見に行く機会がありませんでした。ちえさんは行かれましたか?
またとない機会ですから、さまざまな方が多方面から関わった大会になったようですね。


バレーボールの試合を見て


Chie: こういう機会はあまりないかもしれないですね。国体は行っていないですが、障害者スポーツ大会はバレーボールを見に行ってきました。関東地方から友人が遊びに来たこともあって寄ってみました。



Mau: 会場はどんな様子でしたか?


Chie: ろう者のバレーボール会場は静かでした。 静かというよりは、人が少なかったですね。私も友人もちょっと見ただけでした。会場が長岡市だからなのかどうか分からないですけど、ちょっと全国大会にしては規模が小さいなぁと思っていました。(愛知県代表がまた美味しいところを持っていってしまいました笑)


Mau: そうでしたか・・・会場の規模や種目によるのかもしれませんね。愛知県が美味しいところを、というのは??



Chie: バレーは愛知県が優勝しました。高校野球でも新潟代表と戦って優勝しましたよね。

愛知県チームの試合は観ていなかったですが、何となく優勝の予感はしました。試合開始前の選手たちを見たとき、明らかにオーラが違っていました。新潟県は優しいオーラで、愛知県はごっつい感じでした。 「俺様についてこい!」タイプの選手のイメージだったので優勝してもおかしくなかったですね。




Mau: それは愛知県人の人柄なのでしょうか(笑)? 大会規模が小さい、というのは?



Chie:会場の規模、種目によるかもしれませんが、バレーは参加チームが少なかったですね。福岡県は出場できる条件をクリアしていたものの、福岡県の予算の都合上、出場できなくなったようでした。そういう背景もあってチームが少なく、さみしい雰囲気でした。



Mau:予算が無くて出場できなかったというのは選手にとってはとてもくやしかったでしょうね。



Chie: 予算が無い、というのは、障害者スポーツに対する県の見方の表れでもありますね。障害者スポーツは、あくまでリハビリテーションの一環であるという視点があるかもしれません。

(愛知県の人柄・・・かどうかは微妙ですね(笑)私の周りにいる友人は草食系なので、愛知県チームを見たときはびっくりしました。)

一般のスポーツ大会なら、スポーツ選手としてがんばってほしいという見方ですが、障害者となると出場できただけでもよい、みたいな見方があるみたいです。



Mau: うーん・・・それは・・・。
「障害があるのに、こんなに頑張っています」という言葉が当たり前に使われるメディアや周りでボランティアで参加された方々の言葉に違和感を持ちました。同じように感じた人もいらっしゃったと思いますが、ちえさんが言われるように、“障害者スポーツ = リハビリテーションの一環”という捉え方でいる方もも多いのだとと思います。



手話ボランティアには頼みにくい!?



Chie: 受け止め方は人それぞれですね。そのことはコメント欄でみなさんの意見を聞いてみたいですね。
そういえば、大会で手話と要約筆記のボランティアさんもいました。
ろう者、難聴者の情報保障としてのボランティアだと思いますが、本当に必要なのかなあ、と考えてしまいました。



Mau: ちえさん御自身は利用したくなるような魅力的な形では無かったのでしょうか?


Chie: そうですね。私自身、見た目にこだわっていたかもしれませんが、もう少し格好良く映ればいいのになぁと思いました。私たちが長岡駅で、駅から行ける温泉探していたときがありました。

長岡市は詳しくないので誰かに聞いてみようかと思ったところ、「手話」という文字が書いてあったパーカーや帽子をかぶっている方がいました。

ところが、なぜか手話と要約筆記を担う方々が集まって雑談していたんですよね。

手話が分かるので遠くから見ても、何を話しているかは分かりました。まるで近所のおばさまたちが、旦那様の愚痴で盛り上がっている、というような雰囲気でした。




Mau: 手話での雑談ですか?


Chie: その中に、ろう者もいたようでした。一緒に手話での雑談ですね。

道を尋ねたいとは思えなかったですね。仕事をしているのか〜って思いましたが、そこがボランティアですよね。ボランティアだから仕方ないのかな。



Mau: なるほど~私に手話ができたら「気を付けてください。しっかりと内容は漏れてますよ~」と教えてあげるのですが(笑)。その方たちは、ボランティアだから手を抜いても良いという意識はないと思いますが、そこにプロとしての心構えを見つけることは難しいかもしれません。どちらかというとお祭りのようなリラックスした感覚で気軽に参加されているのかもしれません。ボランティアだからというよりも、それは個人個人の意識に任されている部分が今回は大きかったかも。
ちえさんがたまたまそういう方々の会話に出くわしてしまったのかもしれませんねえ。


Chie: 手話サークル関係では残念ながらそういう方が多いので、「久しぶりに見ちゃった」という感じでした。もちろん、手話サークルの中にも熱心な学習者はいますが、なかなかそういう人は会えないですね。

ボランティアだからすべてそうであるとは思っていないですが、ボランティアだから何をしても良いという考えはちょっと違うかなという風に受け止めました。あくまでも手話のボランティアに限ってのお話ですが。

一生懸命学習されている方もいるので、すべてとはいえませんよね。



Mau: ろう者の方から見える「手話サークル」の存在に対する意見は、手話に関するエッセイのような書物を読んでいるとよく出てきますねすね。ちえさんもそう思われますか?


手話の世界での常識


Chie: 手話サークルが活発な時代もありました。それは福祉、障害者が使うものという視点から入って、「かわいそうだから助けてあげるよ」というところからスタートした背景があります。

ろう者はかなり腰を低くしないと助けてもらえなかったという話はよく聞いていました。仕方ないかもしれないですが、そういう背景もあって、手話の世界では「苦しんだ者が上に立つべき」という風潮があるようです。手話に関する書物にもあるんですね。



Mau: 苦しんだものが上に立つべきということについて、もう少し教えていただけますか?
私が読んだ手話サークルについての記述には、あまり良い感触のものはなかったように記憶しています。
かえって怖くなった気がします~。


Chie: ろう者の間では、「運転免許が取れたのは誰のおかげだ?」という話から始まり、ろう運動で苦しんでがんばった方が上に立つ。共に動く若いろう者は動きたくても動きにくい、ということがあります。

幸い、ハンズはそれを普通に通り過ぎたので何もなかったですが。
また、手話通訳者の間では、若い手話通訳者を育てようとする方が少なく、ほとんどは「私たちは一生懸命ろう者の手話を学んだのだから、あなたも現場で学びなさい」とあまり積極的ではないようです。

中には人材育成に力を注ぐ方もいますが、私が出会って来た通訳者の中でそのような後継者育成に視野を入れた方は残念ながら一人くらいです。



Mau: どうしてそういうことが起きるのでしょうか?


Chie: これはあくまでも私の考えですので、みなさん、批評とかありましたらぜひご意見をお聞かせくださいませ。

まずは、コンプレックスの裏返しなんじゃないかと思っています。
障害者を手伝うことは、自分よりも弱い立場の人と接することによって自分の存在意義を見出す。

こういうことは手話に限らず、他の障害者にもつながると思いますが、ここで手話がなぜ、そのような複雑な人間関係を生むのかは、ちょっと不思議です。

手話サークルの成り立ち、時代背景は十分に書籍や高齢者の手話語り、また通訳者から聞いてきました。

それでも腑に落ちないところがあります。もしかしたら、手話サークルとしてこれからどのような道を歩むべきなのか見えてこなかったのだと思います。

ここまで話した以上、手話サークルの方に殺されてしまいますね(笑)。



Mau: いえいえ、いろんな意見を言いあってからゆっくりと考えていこう!というのがこのブログの趣旨の一つでもあります。私たちが話していることに対して疑問を持たれた方、同感だと思う方・・・私もブログに参加したい!などなど・・・ご意見お待ちしています。

それにしても、そういう手話サークルに行ってもなんだか楽しくなさそうですね~。


Chie: あまり楽しくないですよ〜(笑)人としてもどうか、って思ってしまうくらいです。

京都にいたときは、手話サークルに行くと、ろう者の存在を無視する人もいれば、「若いんでしょう、真面目にやらなくていいよ。遊べば良い」と言う変なおじさんもいました。



Mau: あははは!と思わず笑ってしまいましたが・・・はてな?ますます分からなくなってきました。


Chie: 異質な世界ですよね?


Mau: そういう人は一人で勉強をしたり自分から積極的にろう者と関わったらいいのになあと単純に思ってしまうのですが、なぜ手話サークルに来ているのでしょうか?


Chie: 勉強方法が他に無いからのと、手話は一人で勉強できるものではないので。 本で見ても、これが「使える手話」なのか確認するために学べる場を探してみたら、手話サークルだけという地域は多いですね。そこで手話そのものを止める方もたくさんいます。

英会話のようにスクールが近くにあれば学べる環境にいますが、手話はまだスクールとして数少ないですね。愛知県はほとんどありませんし。もし手話を体系的に学べる環境が手話サークルにあったら私の仕事はなくなってしまいますね(笑)。



手話を体系的に学べる場とは?


Mau: 手話を体系的にきちんと学べる場所が無いということでしょうか?

ちえさんたちの今行っている活動は今までのものでは十分でなかったから必然的に出てきたと言えそうですね。



Chie: そうですね。ハンズには変なおじさんはいないし、手話をきちんと使いたいという方がいらっしゃるので、そこが手話サークルとの違いですね。英会話の世界ではこのような、よく分からない世界はないでしょうか?


Mau: それは・・・どこへ行っても何人か人が集まればあります。
英会話学校や公民館等でのサークルも例外ではありません。改めて自分がどちらかというと教える立場になってみて思うのは、そういうときはどうその場の舵を取るのかによって周りの人たちの周りの人たちへの態度や学びへの関わりが大いに変わって来るといるということでしょうか。

長く続いているサークル活動で難しいのが、運営上で会の担当者はいるものの、本当の意味で責任者は?と言われると不在のことが多いように見えます。“講師はみんな”“お互いに学びあいましょう”という姿勢は大切ですし、気軽に参加できるという利点もありますが、本当に学びたい人にとっては余計なことを考える時間や機会も少なくなく、どのような方向性を持って会を進めていくのか、それを誰がバランスを取っていくのか・・・難しいこともありますね。
そういった面倒なこと、効率の悪さに耐えられなくて密かにやめてしまう人もいるのではと思います(私も過去に英会話サークルを辞めた内の一人です(笑))。

私も現在「スペイン語サークル」を公民館という公の場所で主宰しています。過去の経験を無駄にしないように、いつどんな時に新しい人がいらしても、新しい人が違和感を感じたり、今までいる人が同じような過去の復習ばかりで、(つまらないなあ・・・)と感じないように密かに戦略を立てつつ運営しているつもりです。

英語で言えば大抵の人は、ある程度の基礎を持っていますが、スペイン語は初めてその世界に足を踏み入れる人が大多数になりますので、その点では緊張しますし工夫が必要ですね。多くの人にとって新しい言語という意味では手話に近いかもしれません。


Chie: 私も手話サークルに所属していたので何となく分かります。結局はバランスですよね。講師の舵取りによって左右されるからこそ、 周囲を見渡しながら道を造っていかないといけない、そこが講師としての醍醐味でもありますよね。


Mau: そうですね。変なおじさんも、誰かを傷付けたりすることを言わないようであれば、構いたくなっちゃいますね。それも自分に余裕があればの話ですが。とはいえ、サークルも通常のレッスンも全力投球しているつもりです。語学が好きだから、その楽しさをいろんな方法で伝えられないかといつも試行錯誤しています。いまはまだ手話が使える人の数、場は圧倒的に少ないので、ちえさんにとっては物足りないこともあると思いますが、これからビシバシとハンズで鍛えてもらって手話を学ぶ&学んで目覚める「面白い人たち」がどんどん社会に出てきたら・・・・その時に手話サークルは変わるきっかけを掴むのかもしれません。


Chie: ありがとうございます。手話サークルの常識は、 いずれ変わっていくものと思っていますし、それは講師自身も勉強、研鑽が必要だと痛感しています。講師は常に試行錯誤しつつ、自己研鑽に励む運命かもしれませんね。


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by machi-life | 2009-10-18 16:40 | mau+chie life
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