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聴こえないわたし 聴こえるわたし ~ことば&暮らし~

それぞれの「ことば」を「知ること」からはじめよう
by machi-life
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第31回(2009.09.19) 『手話で あなたと 話がしたい』

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由  

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


“聴こえないわたし”-Chie
東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

“聴こえるわたし”-Mau
“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き

☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆

新幹線+都電=片道3時間 学びの場所を衣替え

更なる出会いと学びの場を求めて、東京・武者修行にでかけることにしたMau。
初回レッスンが終わって、興奮冷めやらずといった状態です。



Chie: 良かったですね!リフレッシュさが伝わってきます^^


Mau: ありがとうございます。これから週1回×3ヶ月、教室の仕事とバランスを取りながら時間を上手に組み合わせてみようと思います。やる気の満々の人たちと出会うという意味でも、自分が今まで曖昧にしてきた部分と向き合うということでも、東京で学ぶ時間はとても刺激になりました。


Chie: すごいですね!どんなレッスンでしょうか?


Mau: 端的に言うと「英会話レッスン」なのです。メンバーは主に関東圏在住のばりばり英語を仕事で活用されてきた方々が、新たな舞台を目指して「英語で話す日本」について二時間しゃべり続けるクラスです。講師のイギリス人女性は、文法にとても厳しい方でしたが、それが嬉しいですね。きちんと訂正していただけるのはありがたいです。講師の注意の仕方、話題への切り返し方、褒め方等も勉強になります。


Chie: 講師としても大変良い刺激を受けながらの学習ができるのですね。おもしろそうです!
みなさん、英語で2時間ディスカッションでしょうか?



Mau: そうです。それが、あっという間の時間でした。

難しい問いや分からないことに対しては、臨機応変さと乗り切るユーモアが問われました。そうかと言っていい加減なことを言うわけにもいきませんし、困った!そこへ緊張も手伝って、しどろもどろ(嗚呼!)後で録音をした自分の声を聞いて・・・倒れそうになりました。次回はもうちょっと準備をして臨みたいと思います。


筆談があれば、手話は必要ない?


Mau:以前私たちのブログでも取り上げた「筆談ホステス」を読んだ方々から、「本を読んで思ったんだけど、筆談があれば、手話は必要ないよね。この本の作者は、筆談だからこそ、こんなに素敵な会話ができるのだから」と言われました。

「う~ん」と言いながらも、「でも聴者が何気なくしているような、“相手と自分が同時に会話を進行する”ことは筆談では無理ですし、筆談には筆談の良さもありますが、会話そのもののリズムを保ち続けることは難しいと思います。ろうの人同士、又はろう者と聴者間の意思疎通手段として手話は必要なものなんです。」ちえさんと以前お話をしてお聞きしたことをお伝えしたつもりですが、どうにも上手く伝わっているようには思えず・・・何となく話は終わってしまいました。

いろんな意見を持つ人がいて、そういう意見もありだとは頭では思いながらも、きちんとお話できないことを残念に思いました。私自身が手話を使いこなしていない・・・という自信の無さも出ていたかもしれません。

ちえさんはこう言われたらどう答えますか?


Chie: 「今日から明日の夜まで、全ての会話を筆談で臨んでください。そこからまた明日の夜にお話をしてみましょう」。という答え方ををしますね。2日間とも家の中に引きこもっていたら意味がないですが(笑)。


Mau: なるほど・・・。
では・・・いじわるな質問をしてごめんなさい。
もしその人が、「じゃあいいや!」と言ったらどうなりますか?


Chie: それでいいと思います、そのあとに、その人がいるところに行って「手話が必要」と思わせます。


Mau: あははは!強いですね。


Chie: ろう者の中には、日本語の読み書きが不得手な方もいます。ろう学校で教育を受けたものの、自らの言葉の習得に無頓着なのか、あるいは何らかの学習障害が合わさって日本語の読み書きが難しいろう者もいます。教員とのコミュニケーションがうまく図れずにいるのも1つの原因かと思いますが、(ろう学校の教員の中で手話が堪能な方は限られます)聴者たちから筆談で話しかけられて戸惑ったろう者を見てきました。

自分自身も、筆談だけで時折その人の意図がつかめなく、何度も軌道修正しながら話をしたことがありました。これが手話だったらどんなに楽だろう、と何度も思いました。

「筆談が良い、手話は不要」という方には、ろう者10人でその人のところへ行って道を聞いたり、何かを聞いてみます。

その人は筆談すると思うので、差し出された紙を見て、「何これ?読めないな」と日本語がわからないろう者が言ったら良いと思います。



Mau: そんなことになったら・・・「ごめんなさ~い!」と言ってダッシュで目の前から居なくなる人もいそうです。


Chie: 逃げられない空間を作れると良いですね。


Mau: ははは、追い詰めますねChieさん。そういったことは、日常的にありますか?


Chie: 逃げられたことはあります。でも、嬉しいことに一生懸命汲み取ろうとしてくれた人もいます。


Mau: わァ~っハハハ!!追いかけたのですね。やるなあ。


Chie: まだまだですのでこれからもどんどん試してみます。そう言いながらどうしても筆談で差し出された紙を見て「やはり筆談か〜」と仕方なく見てしまいます。


Mau: 私にも、たまに手話だけの日を作って鍛えてください!


Chie: 20日にしましょうか。


Mau: ほー・・・そうきましたか。Chieさんとのランチの日ですね。OK,そうしましょう!


Chie: 一時的にそうすることもできます。切り替えですので、手話モードにしてほしいときは手話モードにしますしそれでも歓迎です。


Mau: 私の場合は、手話というよりジェスチャーがほとんどですがそれでも良いですか?


Chie : ジェスチャーは人間に備わっている伝達機能の1つで自然なことです。そこから始まり、お互いにどうやって通じるようになるのかを体感しながら考える機会を通して手話に入っていった方がすんなりと身に付くと思います。

手話はジェスチャーとは別ですが、全くの別物ではない。
でも一方でジェスチャーと混在しているから手話も同じじゃないかという見方もあります、そこら辺は私も勉強中です。

手話が分からないとき、ジェスチャーで「これ何?手話では?」と聞くことがあると思います。それができる人とできない人がいます。黙り込んでしまう人がいるので、お互いに伝え合うためにはどうすればいいのか、と考えたときに「手話」につながったらいいですね。これは、英語もスペイン語も同じですよね?



Mau: なるほど・・・もし、言葉が書いても話しても伝わらないとしても・・・その時の状況にもよると思いますが、目の前に一生懸命に何かを伝えたい、伝えようとしている人がいたら、やっぱりどうにかしてつながりたいと考えるでしょうね。そしてたった一度かもしれないし、継続してそんな状況が起こった後のことなのかもしれませんが、その人を通して未知の言語に興味を抱くことは自然なことかもしれません。

言葉の通じない相手に出会い、「どうしていいのか分からない!どうしたらいいの~!?」というときに、「じゃあこうしよう!これがだめならああしよう!」という素早い思考の切り替えは、国のほとんどが日本人で占める国で暮らしている私たちには練習をする場は多くないと思います。日本で暮らす、日本語以外の言語話者にとっても日本人の反応に驚くこともあれば、戸惑うことも多いと聞きました。まだまだお互いに知っているようで知らないことがたくさんあるのだということなのだと思います。

でもこれも私たちもブログでよく話をしますが、慣れの部分も大きいと思います。
慣れるためには会う機会を増やして、何もせずとも同じ空間を一緒に過ごす時間も必要だと感じています。

ちえさんのスパルタ計画は大賛成です。私にとってもまだまだ未知の「手話時間」、「手話の世界」にどんどんいろんな人を引っ張り込んでください、手話の素晴らしさについて教えてください!


Chie: 日本人が多数を占める国だから「伝え合う」ことについての意識が他の国と異なるかもしれないですね。

高校時代に、アメリカから黒人女性が国際交流として聾学校に来たことがあります。彼女は聴者で手話ができない方でしたので音声で英語を話してみました(先生のススメもあって)。でも予想通り通じなかったですね。私が紙に英語を書こうとしました。

そのときに彼女は「No!」と言って、もっと話をしてごらんというジェスチャーで、文字に頼らず、音声にも頼り過ぎずに会話をしましょうと促していました。

当時は促されるまま、通じたいという想いで手話と英語を一緒に発したと思います。今思えば、このやりとりは、このスパルタ?計画と通ずるところがあります。

やはり日本人は、人種に対する捉え方が他国と違うかもしれません。
たとえば、アメリカ人やスペイン人だったら見た目で目の色や接していて、外国人だと分かりますが、ろう者の場合、日本人だから同じ人種として見ます。そもそも、聴こえない人は外見だけでは判断ができないですよね。

日本人同士では話がほとんど通じないという経験がないから、日本人同士だから筆談で通じる、ということはあるんじゃないでしょうか。

共通の見解というか日本人だから日本語がわかる=手話が分からなくても日本語を書けば通じるというようなもの。 どうでしょうか?

そういえば、以前まうさんの教室を訪れたとき、Yさんは以前と比べて手話で話しかけてきましたね。
通じる言語を選んでのことだったので、話しやすかったです。



Mau: Yちゃんも、私とちえさんの関係をうらやましそうに見ていて(笑)手話本をどこかから持ってきました。

「日本人だから筆談でいいや」で思い出しましたが、中国へ旅をされる方から、いざとなったら漢字で書けばいいから安心だという声を聞いたことがあります。

また、「この国にはこういったお国柄がある」という言い方も良く聞きます。
私には、「何か理不尽な事があっても、こういうわけだから仕方がない(納得したい)。
あるいはある程度のことを知ることで安心したい」という気持ちの表れのようにも聞こえます。
怖いのかもしれません。

もしあえて、日本人を聴者に近い人と、ろう者に近い人に分けて考えるとすると、ろうの人たちの言語である手話以前に、日本人のろう者の方々の生活の仕方、住まい方、考え方についてChieさんたちと出会う前までは何も知らないわたしがいました。

「フランス人はこういう人種」とか「メキシコ人はこういう人種」と言えるほど、私たちは日本で暮らすろうの人たちについて知らないんです。

そのことをお互いに認め合ったり、もしお国柄のようなものがろう者にも聴者にもあるのだとしたら、それを必死に知ろう、探ろうとしているのが、私たちの今なのだと思っています。


Chie: ろう者といっても聴者と同じように多様ですが、ろう者によく見られる行動傾向等はこのブログを通して発見できたらと思っています。これが日本という国の上で生きるときに必ず役に立つと私は思っています。

もう少しお話を進めたいのですが、時間がぁぁぁああ!



Mau: そうでした!!


***


今回は国境を意識した内容になりましたが、世界は広く、手話も各国によって異なります。
英語、中国語、フランス語、スペイン語のように多数の音声言語があるように、
手話にもアメリカ手話、フランス手話、等があります。

言葉っておもしろいですね。「伝え合う」ための手段として言葉が発展していく。
人を動かすのも言葉ですね。

だからこそ、発するときは適度に気をつかいつつ、
自らを示しながら伝え合えることが一番良いのかもしれません。


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# by machi-life | 2009-09-18 19:59 | mau+chie life

第30回(2009.09.13) 時間と不思議な体験

    「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由
    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


"聴こえないわたし”-Chie
東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau

“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き

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まうさんの母に会う

Chie: 先日はびっくりしました、偶然まうさんのお母様にお会いしました。お母様が骨折されたとのこと、腕の状態はいかがでしょうか?




Mau: 腕は痛々しかったですが、本人はいたって元気でした。体力を持て余していました。金曜日には退院だそうです。



Chie: 元気そうでしたね。


Mau: そうなのですよ。普段から「いつ寝ているの?」というナポレオン体質で、一日に3、4時間しか寝なくても充電完了の人なのです。お店を開いて20年余り・・・こんなに続けて休むのは初めてだと思います。おそらく年間でも2週間ほどしか休んでいないと思います。



Chie: すごい!!ナポレオンですね。私は必ず睡眠時間が5時間は必要だなって今朝思いました。その体力の秘訣は何でしょうか??

Mau:母の体力の秘訣は・・・なんなのでしょう?好きなことしかしないことかなあ??!

とにかく普段から徹底的に無理はしませんね。切り替えも早い方だと思います。もちろん仕事ではありますが、趣味のようにも捉えて楽しんでいますね。夜の仕事ですが、朝は8時には起きて庭仕事、もしくはテニス又は、エアロビ教室。昼間はテレビを見て大笑い、又は読書、夕方からは孫4歳のお迎え&夕飯作り。あ、深夜の格闘技観戦を忘れていました!母の口癖は、「寝ていても一文にもならない」です。



ちえさんは寝不足のようですね。昨夜は徹夜でしたか?



Chie: 好きなことしかしない、それで体力がもつってすごいですね!!それに習慣的に行えることが大切なんですね。テレビで大笑いするのもなんか幸せですね(笑)

昨日は友人と朝3時まで話をしていました。久しぶりに会ったので近況報告も兼ねて、今後の予定についても相談をしていました。


Mau:朝3時まではキツイですよ!私も昨日は寝たのが2時でしたが・・・今日はまぶたが重くて大変でした。

Chie::確かに朝3時はきつかったです(笑)


Mau: 夜中の3時まで盛り上がるほど、お話が楽しかったのでしょうね!お仕事は秋から冬にかけてもイベントが目白押しなのですか?



Chie: もともと待ち合わせ時間が夜12時なので、早く話をしなきゃと思いつつ、とりあえず11月21日のパーティについてもあわせて話をしていました。あ!11月1日にしゅわるソングコンテストを実施します。ぜひ見にきてください。



【ここでCMタイム!】***************************

手話レクチャー「ハンズ」は11月1日にユニゾンプラザにて、「新潟しゅわるソングコンテスト」を開催いたします。多目的ホールで行います、観覧のみの参加もできます(無料)。

日時:11月1日(日曜日)13時開演、16時までの予定

場所:新潟ユニゾンプラザ 多目的ホール

問い合わせ先:手話レクチャー「ハンズ」025-288-1244(聴こえるスタッフが応対いたします)。

info@syuwaru.org

お問い合わせお待ちしています。
********************************


「時間」の存在


Mau:最近気になっていることは何ですか?



Chie: 最近気になっていることといったら「時間」でしょうか。恐ろしいくらい、1週間経つのが早く感じるんですよね。まうさんは「時間」についてどう感じていますか?

Mau: 時間について・・・といえば、高校の倫理の先生が、「時間ってどこからどこへ流れていくと思う?」と最初の授業で言われたことを覚えています。「えっ?!」と一瞬思うのですが、そこは学生、必死で模範解答を見つけ出そうとするのですが、答えが見つかりません。先生は尚も続けて、「(赤いりんごを見せながら)どうしてこれが赤いりんごだってことがわかるの?」と私たちに問いました。またもや一同軽くパニックです。



Chie: そうですよね。


Mau: その後の授業展開について詳しくは忘れてしまいましたが、時間を経て考えてみると、「物事にはすぐには分からない、もしくは一生分からないこともある。反対に、絶対にそうだと思っていることは実は間違っているかもしれない。思い込みかもしれない。本物の答えは自分で探しに行ったら?」ということではなかったのかと。答えなんかなくても構わないのですけどね。

今になってもあの時の問いを考えている自分がいます。



Chie:物事のとらえ方はいろいろあって、正しいものが1つとは限らないですね。そして、正しいと思っていたことも実は違っていたり。この先生、すごいですね。一瞬の質問で生徒さんをひきつけました~。

Mau:「時間」といえばもう一つ。不思議なお話をアルゼンチンで暮らしていた時に聞きました。



Chie: どんなお話ですか?



Mau:その人とは、南米の昼ドラのような次から次へと予測のできない、あまり歓迎することのできない出来事が周りにも自分にも起こっていた時に出会いました。

私をその混沌の渦の中から連れ出してくれた人です。

「時間」について思いを馳せるときに、いつもその人が聞かせてくれた話を思い出します。



その人は小さい時から、他の人には見えないものを見たり感じたりしたそうです。

近所で行方不明になった人の居場所を当てたこともあるそうです。大人になるにつれて少しずつその不思議な感覚は薄れてきたそうですが、ある時に体調を崩して入院をしました。

そのときに、かつて見ていたさまざまな「夢」を見たそうです。でもしばらくして、その「夢」は現実(未来)の世界でも起こったそうです。



またある時には、夢の中で初めて出会った人から、今生きている人に向けてメッセージを伝えてほしいと頼まれましたそうです。夢の中の人は、伝えて欲しい人とのあるエピソードを教えて、「私は今もあなたを見守っている」と伝えて欲しいと言いました。その人は、半信半疑でそのことを相手に伝えました。伝えられた人はぼろぼろと泣き出して、「それは私の亡くなった大切な人です」と言ったそうです。



少し長くなってしまいました。その人は私にその話をしながら、そして私は聞きながら、もしかしたら時間は過去から未来という一方通行な流れではなくて、未来から過去へも流れる?こともあれば、「今」は「過去」や「未来」とも一緒にここに存在しているのかもしれないねというような話をしました。「終わらない」時間への問いかけとして、日本に帰って来ても、今ここにいる時間の不思議について、時にポーンと思考が思わぬ方向へ投げ出されます。



不思議な体験



Chie: こういう話、漠然ですが、私も何となく信じる方です。見えない力というのはあると思っています。

そして、過去、現在、未来のつながりは、先祖様や守護霊等が何かを伝えにきているのと関係があるように思います。

宗教に入っている訳ではないですが、「もしかしたら?」というようにサインを感じ取るというか、その辺りは説明ができないですが、「きっとそうなる」という見えない予感というのは時々あります。そんなに大きなことではないですが、例えば、「あの人とお話をしてみたいな」と思い、イメージをしてみる。その数秒後にはお話をしている。というようなこともあります。でも、私の課題は、「もっと積極的に前に出ること!」ですね。引っ込み思案も時々あります(笑)

そういえば、フィンランドへ行ったときに、5年前に訪れた教会の中に入りました。5年ぶりか〜って感動のあまり、ぼーっとしていたらふと誰かが肩を叩いたんですね。振り返ってみたら誰もいなくて。風のような柔らかさではなくて、友達同士で呼びかけるような強さの叩き方だったので、一生懸命周りを見渡したけど近くには誰もいませんでした。

そのあとに、観光客のグループが押し寄せて入ってきたので、その場を去りました。もしかしたら「こんなところで立っていると危ないからそろそろ帰ろうよ」というサインだったのかなと。考え過ぎかもしれないですが、叩かれたときの感触はまさに友人に叩かれるのと同じ強さでした。


Mau: 「よっ!ひさしぶり!」の肩たたきだったかもしれませんよ。



Chie: なるほど、そういうこともありですね〜。


Mau: 体、心、先入観からも解放されていて、自然な状態でいながら適度な緊張感があるときに、いわゆる「第六感」・いつもは眠りきっている部分が起き上がってくるのを感じます。私にとっては、誰もいない森の中や、草原を一人で歩いているときの感覚です。

身近なところでは、手足を四方八方に大きく伸ばして寛いでいるネコが、急にスタッと立ち上がって、誰もいない、何もない方向をじーっと凝視したりしていることがあります。もしかすると何かが見えているのかもしれません。

そういったことのほとんどは気のせいなのかもしれません。何も意味はないのかもしれません。

でも人間が知っている、見えていること以外にも何かが存在しているのかもしれないなと思わせてくれます。そしてそうじゃないと何だかつまらないよとも(笑)。

あらら、また脱線しちゃいました?

「時間」から、「秋の不思議体験特集」になっちゃいました!



Chie: おもしろい展開になっていますね(笑)この世の中は科学的に証明できる物は本当に少ないかも。時間の感覚ですが、同じ時間を分け与えられているのに、人によって使えたり、死なせてしまったりするんだなぁと 。 同じ1分間でも、それを誰かのために使えているか、全く使えていないかだけでもかなり違ってくるんだなと思いながら自分の時間も必要だと感じています。

もしかして、不思議な体験というのは、自分の時間が持てたときに起きるのでしょうか?


Mau: そうかもしれませんね、自分と向き合える時間ができたときに起こっている気がします。



Chie: そうですね。それとつながっているかもしれないですが、先日に駅でまうさんとお会いしたとき、その数分前までは、別の道を歩く予定でいました。コーヒーが飲みたくてしょうがなかったのでタリーズを狙っていたのです(笑)

でも、なぜか、コーヒーは後にした方が良いと身体が動いたんですよね。それで駅の方へ向かったら、まうさんを発見しました。




わたしにとっての時間、あなたにとっての時間とは?


Mau: 病院帰りの母と待ち合わせていて、車に乗せて自宅へと帰るだけでしたので、本当に一瞬の偶然がすれ違いましたね。母もお会いできて喜んでいました。



話はまた変わりますが、いつかの誕生日にいただいてから、砂時計が好きになりました。砂時計というものは全て3分間だとなぜか思いこんでいましたが、いろいろとあるのですね。1分だったり、10分だったり、無限のバラエティー!人それぞれ用途によって違う時を刻んでくれるものが必要ですものね。

砂時計がさらさらと静かに流れていくのを見ていると、普段は目に見えない時間と3分間ですが、向き合える気がして気持ちが落ち着きます。ちえさんはどんな時に「時」を感じていますか?



Chie: おお!難題が飛んできました(笑)。砂時計で「時」を感じる・・・私の場合は、空と海を見たときでしょうか。



海を見ていると、沖縄の宮古島を思い出します。海にも命があるんだなって初めて感動しました。宮古島で海を見た瞬間、涙が出たんです。何故かは分かりませんが、とにかく感動してしばらくその場にいました。それ以来、宮古島のような感動はなかったですが、前にまうさんが連れてってくださった海で久しぶりにそれに近いのを感じたので気持ちよかったです。ありがとうございます。


Mau: あの日の海も気持ち良かったですね!

学生の頃はよく海に昼寝をしに行っていました・・・というより波の音を聞いているといつのまにか寝てしまっていたのですが、気が付くと周りには誰もいなくて辺りはすっかり暗くなっていることもありました。波が行ったり来たり、毎回違うリズムと大きさで行き来するのを見ていると時間が進んだり巻き戻されているような不思議な満足感に包まれます。



Chie: 海辺で寝ていたんですね、すごいなぁ(笑)海にも時間がありますね。

誰かがスイッチを入れた訳じゃないのに、波の動きも変わってくるし場所によって海の顔が異なるのは、人間にも通ずるところがありますよね。海を見ていると、私って小さいなぁと思います。



Mau: 「海の顔」とはしっくり来る表現ですね。



Chie: 愛知の海と沖縄、新潟の海は違いますね。愛知の海はドロ〜ッとしています。緑色ですよ(笑)。


Mau: ええ~っ、いや~っ!!

今更ですが、名古屋の場所を地図で見ていたのですが、すぐお隣り?比較的近い場所に三重県の県庁所在地がありますね。津市かな?



Chie: そうですね。左となりにありますね。行ったことがありますか?


Mau: 行ったことはありません。でも先日地図帳を眺めていて、真珠が取れる英虞湾のある三重県と隣り合っている愛知県だから、あの辺りは海がきれいなのかなあ・・・と想像していました。英虞湾まで行くと離れすぎでしょうか?!



Chie: 少し遠いような近いような。私の大学は知多半島にあったので、三重県は天気がよければ見えるそうです、きれいなスポットとそうでないスポットがあって、大学の近くはあまりきれいじゃなかったですね。匂いがちょっと。


Mau: へえ~意外です。伊勢湾はわかめづくりでも有名だと聞いていましたので、美しいのだと思っていました。セントレアの近くですか?それとも三河湾のほうでしょうか?



Chie:セントレアの近くですね。大学近くの海はセントレアより下の方です。伊勢湾だったら少し離れていますね。三河湾は知多半島と渥美半島に囲まれています。渥美半島の辺りは伊良湖と呼ばれていて、トライアスロン大会も頻繁に開催されています。一度、愛知でもまうさんと対談できたら良いですね♪



おかげさまで私たちのブログも第30回を迎えました。本当にいろいろなテーマを扱ってきたと我ながら不思議に思います。将来的には読者の方々も交えて1つのテーマについてお話をしてみたいです。今後も応援のほどよろしくお願いいたします。 ~ machi-life Chie + Mau  ~

# by machi-life | 2009-09-13 01:11

第29回(2009.09.04) 『聴こえる世界、聴こえない世界の狭間で』

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由    

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


"聴こえないわたし”-Chie
東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き

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東京帰りのMauさん、興奮する!

Mau: 久しぶりに東京へ行ってきまして、いまだに興奮冷めやらずの状態です♪

「TOKYO」は同じ日本でありながら、古いものと最新のものが無秩序に入り混じっている不思議な場所です。私にとっては外国に近い場所かもしれません。生活の光と影を強く感じる空間でもあります。


Chie: 外国に近い場所というのは、興味をそそられるような出来事もあったのですか?


Mau: まず新幹線ですね・・・・「えっ!そこから?!」と思われそうですが(笑)。

高速道路を100キロぐらいで走っている車を横目に、当り前のように抜き去る乗物に乗車できる国に暮らしていることに・・・毎度のことですが、新鮮に感動します。

上野で降り、東京国立博物館へと直行しました。初めて行きましたが・・・仏像を始めとする美術作品の美しさに感動しっぱなしです。この一年弱の間に改めて日本史と地理を勉強したおかげで、まだまだ浅い知識でしかありませんが、今まで気付かなかった視点で日本の美について考えることができたように思います。これらの作品は無言のまま歴史を見続けてきた上に、戦争、火事、地震・・・さまざまな困難を乗り越えて、よくもまあ今も美しく、こんなに堂々と立っていてくださいました・・・ありがたや、ありがたや・・・とここでまた感動ですよ(涙)。


Chie: すごいですね!感動できるくらい、今まで培ってきた物がすべて、つながってきてそこで自分とのつながりも見えたということでしょうか。東京へはどれくらい久しぶりでしたか?


Mau: うーん、お正月に横浜&鎌倉に行っているのですが、東京そのものには一年半振りぐらいでしょうか?あの頃は、こんなに仏像好きになるとは思いも寄らず。人はいつでも変われるものなのね、と自分を実験台に驚かされてます。ちえさんは東京にはよく行かれますか?


Chie: 東京でそういう感動を見つけられるってすごいなって思います。

東京は、雑踏した雰囲気、たぶん私が行く場所がほとんどそうだからかもしれませんが、東京でもこういう場所があったんだなって何だか、別の東京を垣間見たような気がします。2ヶ月に1回は行っていますね。無意識ですが、気がついたら「また東京へ行くんだ」という感じです。でもこれからは、東京へ行く機会は減るかもしれないですし、やはり東京へ行くなら時間を惜しまずに観光してみたい!!



Mau: 二か月に一度だと結構頻繁ですね!今までは主にお仕事やお勉強で行かれているのですか?観光する時間はあまり取られていないようですね。


Chie: そうですね。勉強会に行くついでに友人と久しぶりに会ってお茶するだけで観光らしきことはしていないです。東京で観光する場所ある?と新潟の人に聞かれると「あれ?何だっけ?」と考えてしまいます(笑)

東京には、学生時代の友人宅に泊まらせていただいているので助かっています。今度新潟に呼びますので、ぜひまうさんにも紹介したいですね。



Mau: あの人混みをくぐり抜けて半ば人に酔いそうになって歩く頼りなくいつまでも慣れない感覚に、「いやん、田舎者!」と思ったりするのがまた楽しいですよ♪あれもまた東京名物かなと。ぜひ、ちえさんのお友だちにお会いして学生時代のお話を聞いてみたいです。


Chie: 東京は歩く人、早いですよね。ヨタヨタ歩いていたら、いつの間にか追い抜かれそうです。

東京にいる友人とは、タイへ行ったことがきっかけで仲良くなりました。面白いことが聞けたらいいですね(笑)。東京ではどこかに泊まられましたか?



Mau: 水道橋の大きなホテルに泊まりました。JRの新幹線+ホテルのパックでなんと16000円!嬉しい誤算だったのは、あまりにも素敵で豪華なホテルだったので、フロントではバックパッカーな自分がアンバランスだったことです。少し恥ずかしかったです。


Chie: パック安いですね!16,000円というのは往復でしょうか?沖縄行きだったら2倍はかかりますね。


Mau: 往復ホテル付きですよ~。そんなに安いパッケージなのに、参考までにホテルの朝食の値段を聞いて見たら、普通の朝ごはんで3000円と言われて驚きました。日本は面白い!


Chie: 3,000円!?ぼったくりじゃないですか(笑)

すごいですね!!!そのパックはインターネットで申し込みですか?気になりますね、格安でどうやって利益をとっているのかなとか。



Mau: ネットでもビュープラザでもできます。仕組みはまったく分かりません。大きいホテルでしたから、空室にしておくぐらいなら安くても泊まってもらおうという狙いもあるのかもしれませんね。新幹線の時間帯が指定されるなどいくつか決まりごとがありますが、それでもお得なプランには変わりはないとおもいます。

そうそう、山の手線の車内では、外国の聾者グループをお見かけしました。一人の女性はお祭りに行かれるのか、「浴衣」を着ていました。東京に住んでいらっしゃるようでした。

表情豊かにとても楽しそうに皆さん手話でお話をされていました。ものすごーく話しかけたかったのですが、あまりにも会話に夢中になっていてようすに、お邪魔するのはいけないと断念。東京に住む人は、さまざまな国の方々と自然な形で出会うことが多そうで羨ましいです。


Chie: 新潟も最近、ロシア人やアラブ系の人々を見かけます。外国のろう者が東京で生活していること、最近よく聞くようになりました。今度、外国人見かけたら話しかけますか?(笑)

そういえば、外国人のろう者が東京で手話を教えているということも聞きました。そこから学んで、コラボして新潟でも、英語とアメリカ手話が一緒になったら企画として良いかもしれないですね。



Mau: あの日、ちえさんも一緒だったら心強かったなあ!コラボ企画の実現はいますぐとはいきませんが、来るべき時が来るまでお互いに頭の中に置いておきましょうか。


海外の手話

Chie: まうさんがアメリカ、南米にいる頃、手話は見かけましたか?


Mau: 実はないのです。


Chie: ちらっと見たということもないでしょうか?


Mau:盲の方にはさまざまな場所で活躍をされている場面に多く出会っているのですが、今思えば気付かなかっただけなのでしょうね。


Chie: もしかしたら、どこかで遭遇していたのかもしれないですね。そのときによって、タイミングはあると思います。今までは目を向けていなかったのか、急に見えてきたりしますよね。

関心を持ったときに、それらに関することがタイミングよく周りに起きるような感じ。

まうさんとの出会いを通して、ブログという形ができて、私自身、聴こえる世界を少しずつ知れるようになってきています。

実は、聴こえる世界と聴こえない世界の狭間にいて苦しいなって思うこの頃です。

でもその苦しみは、知らないままでいるよりは、よっぽどいいことなんだろうなぁって思います。

まうさんは南米で生活しているときにそういうことは起きませんでしたか?



Mau: すみません、進む前にお聞かせください。今、聴こえる世界と聴こえない世界の挟間にいて苦しい気持ちでいる?(又は居た)ということでしょうか?その気持ちについて、もうすこし詳しくお聞かせいただけますか?


聴こえる世界、聴こえない世界の狭間で

Chie: 漠然ですが、聴こえる世界での常識と聴こえない世界での常識が違うことですね。

ろう者といっても一括りはできないのですが、ろう者にとって当たり前のことが聴こえる世界では違っていたり、その逆もあります。

たとえば、叱ると怒るの違いについて。

仕事上、部下が失敗したとき上司が注意をする場面。

ここでろう者の場合は、怒ります。聴こえる人は人によりますが、叱ることができます。

私にとって怒ると叱ることの違いは分からないままでした。怒ることは、感情的になり「また怒っているなぁ」と相手にされなくなりますが、叱ることは本当に注意されたと相手が意識することできるということだと 最近知りました。

聴こえる人を一括りにすることはできませんが、ろう者の中で、叱るのが上手な人、人材を育てるのが上手い人を観たことがなくて1つの怒り方しか知らなかった自分がいました。

すみません、うまく説明ができないですが、他には聴こえる人がイメージしやすい話をする力がまだまだ足りないと感じています。まうさんとのチャットで気付かされるように、いつの間にか自分の中で分かっていて完結してしまうときがあります。


Mau: ちえさんはすごいなあ!今まで「叱る&怒る」ことについてこんなに考えたことはありませんでした。聴こえる人も同じですよ、きっと。

部下のために「叱る」人も、その行動に出る前には試行錯誤をしたり、言い方を考えてみたり、なぜこうなるかなあ?と挫折感と悲しい気持ちが入り混じってみたり・・・内側でのそういった葛藤を越えて、外側には「叱る」という行為として出るのかもしれません。


Chie: そういうことなのですよね。「怒るのと叱ることの違いも分からないの?」とスタッフに言われてちょっとグサッときました。今の私は「怒る」ことしかできないため、怒られた本人は聞こうともしないし、やがては忘れてしまいます。


Mau: 知り合いのお母さんは、「一般的に親が子どもを叱るときには、その子のためを思って叱るものだと言われることが多いけれど、それはいつも正しいわけではない!私が子供を叱る時は、私自身の腹が立って怒っているときだ!!」と中学生のその人に向かって言ったそうです。

それを聞いた時は思わず吹き出しちゃいましたけど、母としての愛情&人間としての葛藤が入り混じってお母さん自身もどうしようもない心境にいることが分かる言葉です(笑)。


Chie: 怒るのと叱るのとらえ方は、人によって異なるのでしょうか?「何でそんなことも分からないんだ?」という感情がある以上、相手には伝わらなくなるんですよね。


Mau: そう思いますよ。「叱る」も「怒る」も私の中ではあまり区別がありません。

どうして「そんな怒る(叱る)のか?」考えてみると、「自分の思い通りにならない」から「叱ったり」「怒ったり」することが私の場合は多いようでした(相手が理不尽なことを言っていたとしても)。

叱った結果として、言う方と言われる方の関係が良くなることはあまりなく、お互いにぎくしゃくしてしまって、これは生産的ではないなとそろそろ気づいてきました。「上手に部下を叱る」なんて本が本屋に行くと並んでいますが、なんだかそれも嘘っぽい気がして、そこまでして叱らなければいけないのであれば、何か別な選択肢はないのかな?と思います。

実際に、私の周りにはあからさまに叱ったり怒ったりしなくても、本人が気付くまでひたすらじっと変わらない愛情と信頼を持ち続けて笑顔で待ってくれる人たちがいます。人の振り見て我が振り直せを実践している方々です。

決して誰にでもできることではなく、とても難しいことです。私自身が「ちゃんとした状態」ではないときに会うと、無い物を見せつけられて落ち込んだ気分になることもありました。

何も言われていないのに、言葉で叱られていないのに・・・なぜかその人たちの姿を見ていると自然と自分の背中が伸びて反省する気持が生まれてくる。

他の誰でもなく、自らを叱ったり、怒ったり、激励することができる。そこで初めて、叱ることにはさっき登場したお母さんの言葉のように愛情がないと相手に伝わらないと思わされるのです。


Chie: 男性と女性の性的な違いもあるのでしょうか。人を育てることは自分自身が育っていない状態では難しいですね。自分を育てながら人を育てられたらいいですけど、人を育てることは、もしかしたら、自分を高めてくれることと同義なのかもしれません。でもそれが今の自分にはまだできていないなって思いました。


Mau: 個体差はあると思いますが、男女の違いはそこには無いように思います。「人を育てる」とは、会社勤め時代には上司に良く言われましたが、私にはいまいちピンと来ませんでした。


Chie: ピンと来なかったということについてもう少しお話を聞かせていただけますか?


Mau: 私自身「いまきっとこの人は私を育てているのだろう・・・」と冷静に感じることはありましたが(嫌な部下ですね)、そういうときは相手も私も希望に沿う結果を出すことはできませんでした。なぜなら、私はその人のことを心の底からは信頼することができなかったからです。

でも、私に何も期待していない(そんなことはどうでもいい)けど、「この人の役に立ちたい!」「同じ夢を見てみたい!」と思える人に出会ったときは、自然と植物が太陽の方に体の向きを変えるように、いつの間にか自分は変わっていきました。それは「私が変わりたい」と願って行動したから変わりました。


Chie: 確かに信頼できることと信頼できないことは違ってきますね。
人が動けるのは、自分自身が動ける根本的なところには信頼があるのかもしれません。

このことについて、そこまで深く考えたことがなかったのでもう少し、人を育てることはどういうことなのか、なぜ会社は人を育てることにつぎ込むのか、人が育つところってどういう場所なのか、私自身よく分かっていないですので考えてみたいし、別の機会にまうさんとお話をしてみたいです。



Mau: 「人を育てる」って、改めて言葉にするとすごいことです。「植物を育てる」「動物を育てる」・・・ちょっと変化球で考えると、「命を育てる」「死ぬまで面倒を見る」・・・そんなことまで連想していきそうな壮大なテーマに思えてきます。会社の「人材教育」は、「会社にとって便利な社員を育てる」ことにしか私には思えませんでした。「人間を育てている」とは到底思えなかったのです。きっとちえさんが考えている「人を育てる」は、そういうことではなく、長い目でこれからも続いていく「命を育てる」ことなのではないのでしょうか?

そうだとしたら・・・誰かのマニュアルはあまり参考にならないかもしれません。
ちえさん自身が、作っていくもののように思えます。
ああ、お話は尽きないのですがもうこんな時間になってしまいました。この続きはまた改めて・・・。


Chie: そうですね、まだまだ想いがたくさんありますし、まうさんの話も聞きたいので時間を作ってお茶したいですよね。


Mau: 美味しいお店探しておきます。


Chie: ありがとうございます。そろそろ、スナックにもお邪魔したいですね。


Mau: おお・・・いろんなイベント目白押しでしたね~!すなっく「まう」は、逃げませんので、お楽しみに・・・(笑)。


Chie: 楽しみにしています♪これからもイベントがいろいろあってわくわくしますね^^


Mau: 食欲の秋にもわくわくしてきましたよ。どうぞよろしくお付き合いください。


☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆

第29回(2009.09.04) 『聴こえる世界、聴こえない世界の狭間で』_e0172983_2141950.jpg


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# by machi-life | 2009-09-05 05:05 | mau+chie life

第28回(2009.8.28) 父、新潟へ来県!

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由    

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


"聴こえないわたし”-Chie東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き

☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆



新潟代表と愛知代表
Chie: 日本文理と中京大中京、新潟代表と愛知代表と不思議な組み合わせになりましたね。しかも、それが決勝戦なのだから感動です。


Mau: 自分が甲子園を見ていることに驚いちゃいました。新潟県人なのだ!と感じた瞬間です。というのも、今までに野球には全く興味を持ったことがないので一度も野球中継を見たことがないのです。今回初めて観ました。祝初野球視聴!




Chie: すごいですね!やはり、新潟人ですね。


Mau: そうなんですよ。ミーハー・なんちゃって応援団ですよ~。終わった途端に、「若林くん好きっ!」とか叫んでましたから。


Chie:気持ち分かります!でも初めて見たというのは驚きました!!私の中では「野球観戦」は生活の一部でした。



Mau:ちえさんの「野球=生活」発言にも驚きです。ちえさんもプレーされたり、見に行かれたりするんですか?




Chie: 小学生の頃は、兄が地元の少年野球チームみたいなところに入っていたので時々キャッチボールの相手になってもらったり、平日の夜は毎晩のように家族でテレビでプロ野球を見ていました。日課ですね。



Mau: 新聞を読むように野球が日常にあるんですね。
長期間大人生活を送っていると、"初めて"のこともあまり多くなくなりますので、そんな初々しいわたしに出会えて嬉しかったです!



Chie: 本当に良かったですよね^^

ところで、昨日はありがとうございました。



Mau:こちらこそ父娘水入らずのお時間にお邪魔させていただきました。
夏の終わりの福島潟はジャングルのようにもさもさ、わさわさと草が生い茂っていて、ちょっとした冒険気分になりましたね。

Chieの父、新潟に上陸!


Chie:新潟の旅で、最初が新潟市とのことです。このブログを読んでいるので「ぜひMauさんに会ってみたい」という好奇心(?)に応えるべく、Mauさんとの対面が実現できました。Mauさん、ありがとうございました。


Mau: こちらこそ楽しい時間をありがとうございました。お父さん、今宵はいずこにいらっしゃるのでしょう?



Chie:今は長岡市と聞きました。


Mau: 長岡市ではどこへ行かれたのでしょう?お父さん、とても優しい方ですね。




Chie: 優しい方ですか、ありがとうございます。長岡市は普通に通り道だから寄ってみたのかもしれません。もしかしたら、天地人関係かも??。



Mau: ほっほ~・・・大河ドラマ好きなのですね。




Chie: 母が大好きで、その影響を受けた可能性もありますね。でももともと歴史は好きな方ですね。Mauさんが父とどんなお話をされたのか、気になりました(笑)


Mau: 福島潟では、公園や自然についていろいろとご興味を持たれたようでした。
「ここは干拓地ですか?」とか、「オニバスもあるけどオオオニバスもありますね」とか。
植物に興味&関心があり、お詳しいようでしたね。
そしてちえさんがあまり虫が好きでないこともお聞きしました。だめですか??



Chie: いやぁ〜苦手ですねぇ〜(笑)

最近は何とか慣れてきましたが、それでも身体のどこかに触れると「うわ!」と反応してしまいます。父が植物詳しいというのは、初めて知りました。母の方が詳しいとは思っていましたが、父も詳しいんですね。1つ、両親の共通点を発見できました。



Mau: (福島潟で)三人で「なんだろう?」と見た、小さな松の実のような木の名前も帰ったら植物図鑑で調べてみよう・・・と言われていましたよ。
植物好きなのも・・・お母さんの影響かもしれませんよ(笑)♪
ちえさんはアウトドア派だと思いこんでいましたので、昆虫類が苦手なのは少し意外でした。面白いですね!
いろんな一面が時と場面を変えるとみえますね。

第28回(2009.8.28) 父、新潟へ来県!_e0172983_717370.jpg


Chie: 母と父は水と油ですけど、そういう共通点があってびっくりです。 わたしはキャンプとか出かけるのは好きですけど、 虫は無理ですね。
でも、毎日そこで生活したら平気になるに違いない、と思っています。


Mau: その通りだと思います。慣れの問題かと。




Chie: ですよね。


Mau:お父さんもどうやらブログを見てくださっているようですよ。




Chie: 母と毎回読んでいるみたいですね。


Mau: ブログの内容については特にお話されていませんでしたが、ちえさんのブログ相手には少し興味を持たれて想像しながら新潟に来ていただいたようでしたよ。ちえさんがお父さんとお母さんの「意外な共通点」を発見されたように、ご両親もちえさんの「そうそう!」と思う部分に加えて、「意外な一面」どちらもブログの文面の中に見つけられて楽しんでいらっしゃるのかな?という雰囲気は受け取りました。



Chie: ありがとうございます。それはあるかもしれないですね。私にとって、父よりも母と話す時間が長い分、父にとって「意外な一面」を見た部分もあるかもしれないです。今回、父が新潟まで来たこと、まうさんと会ったことも含めて、私自身が新潟に来たことは家族にとって、両親にとって、少なからずとも不安があったんだろうなぁと切実に感じました。

「いつ実家に帰るの?」という言葉に「しっかり基盤を固めてから考える」という私を見て、父は「ちえ次第だね」って言っていました。母からも同じことを言われていて、今回ほど、家族の想いを重く感じることはなく、まうさんやハンズのスタッフの話を聞いて「家族に応援してもらっているんだな」って思うと感謝ですね。



Mau: ちえさんだけでなく、私も・・・いろんな方向からさまざまな方法で支えてもらって生きていられることに感謝しないといけませんね。
お二人をファインダー越しに見ていて・・・ちえさんとお父さん、お互いに心配なんだけれど、それを表には出さないで見守っている?はたまたちょっと照れちゃう?甘酸っぱい関係が見えた気がしました。



Chie: 今まで走っていて、きちんと見るべきところをちゃんと見ていなかったような気もします。そういう意味で、今回、父が新潟に来たことは神様からの道しるべというか、不思議なことを感じました。本当レッスンが入っていたのですが、お客様が別の日程を希望されていました。

Mau: 何かしなければいけないことがある時には、じたばたしようが何をしていようが、道がもうすでにそこへ行くように用意されているように感じることがあります。

ありきたりな表現になってしまいますが、「親子は、無償の愛でつながっている」ことを感じた時間でした。



Chie: ありがとうございます。愛というのは、ちょっと照れくさいような表現ですが、実はハンズ代表の小池さんが父と少し話をした後、「やっぱり、そっくりじゃん」と感想を言っていました。まうさんも同じことをおっしゃっていましたよね。家族以外の人からそこまで言われたのは初めてでした。



Mau: 確かに・・・似ていますよ~!親子ですから。




Chie: そうですか(笑)




Mau: 「好奇心旺盛」で「何事も楽しんでやろう!」という姿勢はそっくりですよ。

「いやいや、私はいいよ!」と言わずに、海辺のお昼寝ハウスの中に、私たちに言われるがままに上がってきて下さって、ちえさんの隣にちょこんと腰をおろして気持ち良さそうに風に吹かれているところなんて・・・まさに二人の子供たち!!
シャッターを切りながら、「いいねえ、いいねえ」とつぶやいちゃいました。うちの母なら、「暑いから車で待ってる」と言いそうです。



Chie: そうですか(笑)おもしろいですね!

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Chie: 私の母も同じこと言うと思います、「暑いから」って。
良いですね〜あの昼寝ハウス。丸ごと欲しいです!!でも、あれは、海があって成り立つんですよね。


Mau: 確かに、海のない巨大な黒い箱は邪魔です(笑)。

Chie:新潟も見所がたくさんありますね。父が新潟の旅を終えたときの感想を聞くのが楽しみになりました。
そして、私も新潟のあちこち、素敵な発見をしたいので、Mauさんどうぞよろしくお願いいたします。


Mau: しゅっぱーつ進行♪ ♪ ♪


☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆


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# by machi-life | 2009-08-28 07:18 | mau+chie life

第27回(2009.08.21) 『ヴァギナ・モノローグス』

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由    

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
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ちょっとした日常、かけがえのない日々


Mau: ちえさん こんにちは!刺激的なお盆休みを過ごされたようですね。お話をお聞きするのを楽しみにしていました。

Chie:: こんにちは!今日もよろしくお願いいたします。刺激的なお盆休みほどではないですが、 久しぶりに帰省したことでちょっと「だら~」になってしまいました。

Mau: 新潟に移り住んで初めてのお盆の里帰りだったわけですが、地元に戻られて何か気持ちの変化は感じましたか?

Chie::家族でご飯を食べられるって幸せだなぁとつくづく思いました。

そして、もし今のままで帰省してずっと生活していたらたぶん、物足りなさを感じるかもしれないと感じました。それくらい、今の生活が毎日忙しいけれど意味のあることと思いました。


Mau: 家族の存在は本当に大きいですよね。離れて生活をされていると尚更身にしみられたのでは。
新潟でもあちこちで活動をしながら充実した暮らしを送っていらっしゃいますもんね。
新潟から離しませんよ~。

Chie::おかげさまでありがとうございます。捕まってしまいました(笑)。
まうさん、お盆はいかがでしたでしょうか?朝から忙しかったとのこと、充実したみたいですね。


Mau: 年に3、4回程、主にお盆、年末、お彼岸時に友人のお花屋のお手伝いをしています。

今となっては珍しいぐらい活気のある下町の商店街の中で行っています。早朝から丸2日間、太陽の下で声を出しながら動いてました。最初はちんぷんかんぷんだった、お花の名前も覚え、お仏壇用とお墓用のお花も値段相応に作れるようになりましたが、まだまだ師匠(友達)にはかないません。
彼をめがけて、2日で150人くらいのお客さんが来たと思います。

Chie:: すごいですね、それくらい頼れる方なのですね。それに、お客様は本当に大切な存在ですね。

Mau: それが・・・全くもって「頼りない存在」なんですよ♪
それがまたお客様の「助けてあげなきゃ」モードを全開にさせる・・・まさに素敵な助け合い関係。

Chie: なるほど〜!!それも素敵ですよね!
まさか、戦略の1つでは?(笑)でもお客様がこの人と接したい!という想いを持つことは重要ですよね。そして、ありがたいことです。


Mau: 彼はお客様に優しくて一生懸命。無理をしつつも休まないものですから、時に倒れたりもするんです。だからお客様もそんな彼を放っておけない。憎いキャラなんですよ。そうですね、ずばりこれも彼の戦略でしょう。

Chie: いいですねぇ^^。

Mau: それはそうと、ちえさん昨日はなにやら面白そうなイベントにお出かけされていたんですね。タイトルからして刺激的な予感です~。

女たちが×手で×声で×語る 「ヴァギナ・モノローグス」

Chie:「ヴァギナ・モノローグス」という公演ですね。

ヴァギナ・モノローグスHP http://www.sapazn.net/TVM.html

タイトルは確かに刺激的、そして、内容も期待を裏切らない刺激的でした。もともと、本があるのですが、私はそれを読んでいなく、何の予備知識もなくお客様のお誘いに応じて観に行ってきました。 以前に主催者の大橋ひろえさんからチラシが送られてきてそれをお客様たちに渡していました。そこでお客様が「観に行こう」と声をかけてくださいました。

第27回(2009.08.21) 『ヴァギナ・モノローグス』_e0172983_1224550.jpg


Mau:パンフレットには、 「年齢・人種・職種さまざまな女性にヴァギナについての記憶や思いをインタビューしたモノローグ芝居」とあります。まずこの一文に驚かされてふと立ち止まって一瞬ですが考えこみました。自分自身改めて考えたことのなかったことを突きつけられるテーマですが、よくよく考えると友達と話したりするのは、なんだかちょっと恥ずかしいように感じていたものの、特に女性にとっては、もっと注目?脚光を浴びてもいい・・・部分なのだろうなあという気はしています。

朗読の中身がとても気になります。
そしてこの舞台をサポートされている、黒柳徹子さん、ピーコさん、以前私たちののブログでも取り上げさせていただいた、映画「ゆずり葉」監督の早瀬憲太郎さん、「筆談ホステス」の著者である斉藤理恵さん・・・他、この個性的なゲスト陣を引っ張ってこられた主催の大橋ひろえさんって一体どんな方なんでしょう?!

Chie:: 私もまうさんと同じように、あらためて考えたことがなく「ヴァギナ」という言葉がタイトルとして挙げられていることは重要なテーマなのだと感じていました。でも、アメリカではヴァギナに関するお芝居といいますか、ワークショップがあるそうです。そこでは、レイプを受けたことをカミングアウトする場でもあるそうです。アメリカといっても広大なので決めつけることはできませんが、そういう背景から考えると日本では性的な言葉を使うこと自体、禁断というか、それくらいダブーの言葉になっている中であえて朗読と手話として公演することは驚きでした。

この顔ぶれですが、アメリカ帰りの大橋ひろえさん(ろう者/女優、ダンサーhttp://www.sapazn.net/ )はアメリカでワークショップを観てショックを受けたそうで、「このように女性たちが虐げられた歴史、実話は広くの人に知ってもらいたい」という想いがあったと、トークショーで語っていました。

ろう者でプロのダンサーは大橋さんの他にも南村千里さんという方がいるのですが、イギリスを拠点に活動されています。日本人でプロのダンサーと言えば、2人くらいかなと思います(もしかしたら、他にもいると思いますが、有名なのはこのお2人です)


南村千里さんHP Dance/Communication http://chisato.h-and-c.jp/index.html

その他の出演者がどのような経緯で出演されたのかは分かりませんが、、、印象的だったのは忍足さんですね。

映画「アイラブユー」(http://www.avis.ne.jp/~takaike/akiko/movie.htm)の主役で、当時はおとなしく清純なイメージがありましたが、 それが公演では感情丸出しの演技だったのでさわやかな女性というより、一段と大人になった、魅力的な女性だと感じました。


Mau:悲劇的な実話だけではなく、女性の性や出産などで感じられる喜びについてのお話も取り上げられたのかな?と想像しています。

出演者されている方は全て女性とHPにありました。同じ女性として、同性だからこそ受け取るメッセージも多くあったのではと思います。

ヴァギナ・モノローグスについては、All Aboutのサイトにも大橋ひろえさんとのインタビュー形式の情報がありました。http://allabout.co.jp/relationship/shinkon/closeup/CU20090630A/index3.htm

Chie:: そうですね。性の喜びについての話もありました。

例えば、自分のヴァギナがあれほど嫌いだったのに、好きな男性がじっと見つめていたことにより、女性らしさを知った、という話が一番、印象に残っていますし、それを実際に観たような気にさせる手話でした。

手話だけでは分からない部分もありました、これはきっとMauさんが観たらおもしろく感じると思います。音声日本語ではいろいろな言葉を使ったそうですが、手話は1つだけの表現になっていたという部分もあったそうです。でもそれは、もしかしたら、言語が違うことによって表現が多少違っていただけの差異かもしれないですが、日本語による朗読の内容を知りたいと思いました。あとで気がついたのですが、ろう者のための台本の貸出が無料で行われていたのでした。 「しまった〜」と思いましたが、思っていたよりリアリティさがあって満足できる内容になりました。


Mau: うわわわ・・・見たいですね~・・・今年は無理そうですが、ロングヒットとなって続いていく作品に思えますので、次回を待ちたいと思います。そうだ、ファンレターを書こうかな?。

Chie:: ファンレターぜひ書いてみると良いですね!今度、一緒に書いて出しましょうか?

Mau: そう致しましょう!地方でも是非!とラブコールを送りましょう!

もう一つの夏

話は少し変わりますが、先日「この子たちの夏」という朗読劇に行ってきました。
これは、広島・長崎で被爆をされた方たちの手記を、朗読、音楽、当時を描いた絵でお聞きする会でした。
私の生徒さんが15年ほど前から行っている活動です。

ちえさんが東京で観られてきた舞台とは全く違う内容になりますが、「与えられた場所で、わたしとして生きる」という意味では共通するものがあるように思えます。

Chie:: 15年間続けられている大切な活動ですね。
与えられた場所、私で生きるという意味、 昨日の公演とも共通することですね。やはり人間として生きる根本的なところが 共通しているということなのですね。


Mau: 朗読劇中には、音楽が効果的に使用されていましたが、ここにもう一つ何か・・・動きがあったらまたいいのに!と思いながら聴いていました。
講演会等のお話を聴くときは、目をつぶり、耳に集中をさせるのですが、ここに手話があってなら、より豊かに当時の状況を思い描けるような気がしました。

ちえさんが東京で観られた、「手」「声」双方向からアプローチをかけた手法での公演では、「ろう者、聴者のために」ということだけではなく、「よりよいステージのために」試行錯誤の結果として、より有効でありパワフルな手段、表現を追いかけていったその先にあった形として流れが自然にたどり着く方向へと移行しているようにも、私の勝手な解釈ですがあるように捉えています。

Chie:: ありがとうございます。、これは昨日の公演でも同じですね。動きがあることによってさらに内容が深まるということですね。

爆風で聴力を失った方もいると思いますが、ろう者による被爆の話は聞いたことがあります。
確か、長崎か広島に住んでいるろう女性は数年前にNHKにも映ったと思いますが、手話で被爆の様子を説明されていました。ところが、依頼が増えて、手話で話をしているうちに辛くなってきたそうです。他には、手話通訳の方が自分で演劇として被爆の様子を演じたという話も聞いたことがありますが、いずれもまだ観たことがないですね。

聾学校時代に、デフファミリー(両親もろう者)の同級生が被爆の様子を表した詩を暗唱して手話で表していました。それを私の母が観て 「手話は手だけじゃないんだねぇ」と感動していました。そこに被爆の様子が見えましたね。 まうさんのおっしゃる可能性は、きっと大きいと思います。


Mau: 私が知らなかっただけで、当然のことなのですが、ろう者の方でも被爆をされて今も体験談をお話されている方がいらっしゃるんですね。

Chie:: でもろう者の間で広く伝わっているかどうかは。。。観る機会が近くになかっただけのことと思います。

Mau: 私が朗読を聴きに行った日は、8月9日長崎原爆の日でした。
会場に行くと、たくさんの車が停まっていたので、多くの人が来られているのだな・・・と思ったのですが、実際に会場に集まったのは25人ほどでした。後で知ったのですが、その他大勢の方々は、隣りの建物で同時に開催されていた「高齢者によるカラオケ大会」に参加をされていました。

広島で16歳で被爆をし、父親を失い、現在は原爆症と戦いながら新潟で暮らしている女性がゲストスピーカーとしていらっしゃいました。その方は、「楽しく歌ってはいけないと言うつもりではありません。ですが、伝えていくべき世代の人たちが、なぜこの日にカラオケ大会なのでしょうか?」と言われていたことが印象に残りました。

日々情けなく、頼りなく、もどかしく感じている部分でもあるのですが、他の人の体験を「経験」することは難しいことです。

Chie: 経験を言葉で表すって難しいですね。 言葉にすればするほど、 軽くなってしまうような気もします。

Mau: 頭では分かっていて、その時には涙を流し、理解をしたつもりでいても、その場所を離れると忘れてしまったりします。
カラオケ大会に参加をしていた方々を私は非難することはできません。同時に、被爆体験をお話された女性が放った、「どうして?」という想いも切なく、強く今も心の中で響いています。

友人で世界を旅している人がいますが、彼は旅の話を人にしたがりません。私が聞くと、「本当に知りたいの?僕の体験を聞いても、君の体験にはならないんだからつまらないよ。」と言います。それもそうだなあ・・・と思う反面、その人のフィルターを通した世界を見てみたいとも思うのです。そしていつか私もそこへ行けたら・・・と夢を描きます。

でも戦争や被爆の体験は、決して繰り返したくない経験です。
いまだに戦争の話はしたくない、聞きたくないと言われている方もたくさんいるとお聞きしました。
当時のつらい記憶を思い起こして語る人と平和な時代しか知らない私たちには簡単には分かり合えない空間が広がっているようです。戦争については、当事者からお話をお聞きしても、体験していない私たちには想像すらことさえ本当はできていないのではと思わされます。

それでもやっぱり本当の言葉を聞き続け、考え続け、知ることをやめないでいたいですね。

☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆

ヴァギナと広島、長崎。
途方もなく話題がずれてしまったようにも感じますが、近いのに、それでいて遠くて、つかみきれなくて、一つの答えでは導きだすことのできない二つが、一つのブログの話題としてさまざまな方が目にする場に上る ・ ・ ・ こういったことを公の場で話し合える、表現できる。
人として、女性として選択することのできる時代そして国に、私たちは生きています。

2009年の夏。
皆さんはどう過ごしていらっしいますか?

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# by machi-life | 2009-08-21 13:23 | mau+chie life