聴こえないわたし 聴こえるわたし ~ことば&暮らし~

それぞれの「ことば」を「知ること」からはじめよう
by machi-life
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第39回(2009.11.16) 『それからを変える出会い』

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由    

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


"聴こえないわたし”-Chie<東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き


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Chie: 今回は、手話学習者や手話に関心を持つ方の読者がいらっしゃることも考えて、「聴こえるわたし」の手話学習者として、すーさんをゲストとしてお招きしたく思います。まうさんいかがでしょうか?

Mau: 熱烈大歓迎です。すーさん、よろしくお願い致します。

Suu: ただいま、ご紹介あずかりましたすーと申します。
大学職員としてボランティアを取り扱う部署で仕事をしております。具体的には、ボランティアの紹介や相談を行っています。その他にも様々なボランティアに関する企画を行っております。また、地域と大学の架け橋として、地域との連携も行っている部署です。今年度できたばかりで試行錯誤の毎日です。趣味は温泉につかること、人を笑顔にすること、旅行などです。


Chie: 旅行はまうさんも私も共通の趣味ですね。

Suu: なかなか仕事やその他もろもろの理由がありできていませんが、余裕があれば旅行はいっぱいしたいですね


"手話スイッチ"ON!

Chie: すーさんは手話を学んでどのくらいになりますか?

Suu: 7年半です。

Mau: わあ!

Chie: 長いですね!

Suu: 長いというところまではいってしまったんですね。手話はついこないだ始めたという感じがします。

Mau: 客観的に自分を見て、どんなレベルですか?

Suu: 世間話や深い話ができる程度です。でも、まだまだ表現、読み取りともに、ろう者の方のように隅から隅までできるわけではありませんし、そのようになれなくとも、それに近づきたいと思っています。私は手話を覚え始めてから周りの友達よりも人一倍ろう者の方々や手話学習者の方々にお会いして、手話でスムーズに話しができるようになるために努力してきました。その結果、手話を始めて3年で手話技能検定1級を取得することができました。でも、これは通過点だと思って、今でも勉強を続けています。ゴールはありません。

Chie: どういうときに、「あ、まだまだだなぁ」と感じますか?

Suu: 手話の勉強会に通っているのですが、その時に講師の方に注意されたとき、 たまに手話が読み取れないとき色んな場面で感じています。

Mau: どうして手話を習ってみようと思ったのですか?

Suu : それは大学一年生の時にさかのぼります。
私は大学の一期生だったのですが偶然にも同級生にろう者の方(Iくん)がいたのです。
その時にIくんと出会って手話を覚えました。


Chie: そのとき、すーさんは手話は知っていましたか?

Suu: 「ありがとう」くらいは知っていました。高校の時にドラマを見て友達と真似をしていました。
でも、すぐに忘れてしまいましたね。


Chie: どんなドラマでしたか?
同級生にろう者がいたことについて、普通なら、ろう者がいると知っていても話しかける方法とか分からなくて戸惑う人もいるけど、すーさんの場合はどうでしたか?どうやって、Iくんと話をしましたか?


Suu: 続星の金貨ですね。星野真理主演の。
最初は自然に話しかけていました。授業でIくんが紹介されていたのを見て、それで先生がメールアドレスを交換して友達になってくださいねとお話しされていました。私は最初はどうしようかと悩みましたが、友達が行こうよと誘ってくれたので、行くことにしました。そして、アドレスを交換しました。それは筆談だったのですがもっとIくんと話したいと思うようになりました。


Chie: Iくんの反応はどうでしたか?

Suu: たくさんの方がならんで交換していたのであたふたしていました。
ジェスチャーや筆談で伝えたのですが、その時はたくさんの学生がアドレス交換していたので、交換して終わりという感じでした。
そのあとIくんからメールが届き、彼と話してみたいという気持ちになりました。ここからは記憶があいまいで以前Iくんと話した時のIくんの記憶と照らし合わせてお話すると、私は話したい気持ちが強くなり、図書館で本を借りたのか、本を買ったかして、自分の名前の手話を練習して、Iくんの前で披露しました。

その日はちょうど新入生が全員参加して親睦を深める1泊2日のキャンプの日だったで、1日目の夜にIくんに手話を教えてもらいました。そこで、完全に手話スイッチが入ってしまったのです。2日目の帰りにはIくんを誘って、一緒のバスに乗り込み、ずーっと解散場所に着くまで、白い紙が真っ黒になるまで手話を教えてもらいました。そこから7年半手話を片時も忘れたことがありません。


Mau: 多くの学生がIくんに興味を持っていたのですね。

Suu: そうですね。福祉大学ですし、そういう同級生が多かったです。

Mau: ちえさんとは大学在学中に知り合われたのですよね。

Suu: そうですね 。


Chie: これについては、私から説明した方がいいですね?
わたしが出会ったのは、すーさんより、Iさんの方が先でした。
大学2年生のとき、どこか自分の世界を広げたいという想いで北欧へ研修旅行に出かけました。
そのときのメンバーとして、Iさんもいました。当時の私は、人見知りが激しく、学生たちの間にうまく入れずにいました。そんなときにIさんがさりげなく輪の中に、わたしを入れてくれました。このときからIくんとの会話が増えました。

そのときにすーさんの名前も出ていました。「聴こえる人で手話ができる友人がいる」と。


Mau: ほほー。

Suu: Iくんが北欧から帰ってきて春休み終わりいつもどおり空き時間にパソコン教室でネットサーフィンを二人でしているとIくんが面白い掲示板があると紹介してくれました。それがちえさんが運営している掲示板だったのです。

Chie: この掲示板というのは、「ふくろうの止まり木」ですね。


Suu: そうですね。それで当時私もブログをやっていたのでリンクをして手話について掲示板を通してやり取りしました。

Mau: いまはちえさんの掲示板やすーさんのブログは見れないのですか?

Chie: 見れないですね。

Suu: もう閉鎖してしまいました。

Chie: ふくろうの道、というトップページは残ったままですが、その他の掲示板は消えています。

Suu: 残念です。

Chie: 残念ですね><

Mau: そこではどんなことが話合われていたのですか?

Suu: 記憶が定かではありませんが簡単に言うと手話のことやちえさんが書いたコラムに対しての感想あとは雑談ですね。

Chie: 掲示板はどなたでも見れる設定にしていました。
ふくろう思想論というタイトルのコラムを書いたのですが、その賛否両論が全国の方々を通して交わされていました。
コラムの内容としては例えば、聴こえる人たちとの間で疑問に思ったことや旅行中に見たもの、聞いたもの、感じたものを書いていました。
「なぜ聴こえる人は、聴こえない人が一緒にいるときにでも音声で笑いをとろうとするのか?」というような、ちょっと過激な疑問まで書いたことがありました。

また、「手話には敬語があるのか?」という内容を書いたこともあります。
それが後日に、フジテレビの「特ダネ」出演のきっかけになりました。


Mau: 興味深いですねえ・・・・今見られなくて残念です。

Chie: データが消えてしまったんです。

Suu: それで掲示板を見始めて半年後くらいに初めて会ったんですよね?


Chie: そうですね、すーさんとIくんが二人でコラボした手話のイベント案内が掲示板にも書いてあり、私が東京へ行きました。他の大学の友人も引っ張って、確か6人くらいで愛知から参加しました。

"一つの出会いが 新しい出会いを連れてくる”

Mau: それはどういったイベントだったのですか?

Suu: うちの大学の手話サークル創立以降初めてのたくさんの大学生を呼んだ交流会です。
20大学以上集まり、社会人もきていました。その中でちえさんの大学もお呼びしましたまさか初めての交流会で関東の無名の大学の交流会に愛知の方がきてくれるとは思ってもいませんでした。結局99名も参加してくれてそのうち30名近くがろう学生でした。


Chie: そういえば、(すーさんの大学初の)手話サークルを立ち上げたのは、Iくんとすーさんですよね?

Suu: それはちょっと違いますね、これはIくんのおかげですね。

Iくんを取り巻く賛同したメンバーで手話サークルができました。実際には入学後のキャンプで集まったメンバーです。 部長の両親はろう者でした。


Mau: メンバーの中には、すーさんと同じように聴こえる方で、やはり大学に入学をしてから手話を学んで、ある程度自由に使えるようになった方もいましたか?

Suu: いましたね。やはりIくんがいたことで、みんな影響がありました。Iくんと話す手段が手話だったのでみんな自然に覚えていました。

Mau: すーさんにとって、手話を学び始めて得たものは何だと思いますか?そして、手話を始めたことで自分が変わったと思う変化はありますか?

Suu: 私以外の方もそうだと思いますが、手話に出会って自分というものが大きく変わりました。
性格や価値観、考え方様々な面で変わりました。変わる過程で、彼が生きてきた環境や習慣、生活様式と私が生きてきた環境と習慣、生活様式が違っていたので、衝突やIくんを傷つけてしまう場面がありました。

具体的に言うと、ろう文化と聴文化の違いですね。でも、Iくんは私がろう文化を理解するよりも早く聴文化を理解していて、いつも笑顔で大丈夫だよと見守ってくれました。

そのおかげでたくさんの学生~社会人のろう者の方々や手話サークルに所属する大学生と出会い、手話を続けてこれました。得た者と言えばIくんとの友情ですね。そして、たくさんの仲間。手話をきっかけに大きく世界が広がりました。


Mau: ちえさんとの出会いはどうですか?

Suu: 最初はお互いピンとこなかったですね。つまり友達になると思えなかったということです。仲良くなれそうもないなって思いました。まさかその1年後に沖縄に一緒に行き、そのあと卒業旅行でタイに行くとは…出会った時は想像すらできなかったことです。

Chie: そうですね。あまりピンと来なかったですね。

Mau: いまはどうですか?

Suu: ピンときています(笑)。ともかく、その当時は5年後にチャットしているとは思っていなかったですし、それ以前に一緒に沖縄、タイ、韓国旅行をするとは当然思えませんでした。

これからの目標は大学職員、また地域交流センター職員という立場で様々な場面で手話の普及に努めていきたいと思います。
それで学生や地域の方々の中で一人でも多く、手話を知り、そして願わくは手話を覚えて頂ければと思います。そのためにも今は自分のレベルをアップさせていきたいです。大きな目標に向かうために小さな目標をコツコツとやっていかなくてはなりません。なので、当面の目標は自分の手話のレベルをアップすることですね。


Mau, Chie : すーさん、今日は本当にありがとうございました。

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すーさん、ちえさん、そしてIさんの「出会い」。
時間を少し前後して、「たまたま」出会った3人が、お互いにきっとどこかに持っていた(待っていた)“何か”に接触をしたことで新しい未来が生み出されました。心の内を見せ合い、葛藤する時間の中で、相手との距離や違いを知り、そしてその人自身がかけがえのない存在へと時間をかけて変化してきます。
それは同時に新しい自分自身を作る過程でもありそうです。

皆様のご感想をお待ちしております。

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感謝!手話部門で三位になりました
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by machi-life | 2009-11-16 10:39 | mau+chie life
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