聴こえないわたし 聴こえるわたし ~ことば&暮らし~

それぞれの「ことば」を「知ること」からはじめよう
by machi-life
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第34回(2009.10.12)『口(声)で話すことについて』

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由    

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


"聴こえないわたし”-Chie東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き


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新潟に台風上陸!


Mau: おはようございます。朝から風が怖いくらいですね。明日から、4歳の姪と猫のシロップ1歳半が日曜日までお泊りにやってきます・・・我が家には小さな台風が上陸予定です。



Chie: おはようございます。朝から台風の恐怖感に襲われています、さっきまでベランダにあるものから全部荷物を中に入れていました。にぎやかな家族みたいですね^^



Mau: だいじょうぶですか?

一人だと心配ですが、誰か来てくれるといいですね。

Chie: ありがとうございます。誰かいたらいいなぁと思いましたが、大丈夫です。

口話(こうわ)とは? 


Mau:さて今日は、「読唇」についてお話をしてみようということですが、それは「口話」や「読話」と言われているものと関係がありますか?



Chie: そうですね。定義について、はっきりとは決められていないのですが口話の中に、読唇があり、読話ともいえます。


Mau: 説明していただけますか?



Chie: 読唇/唇を読む、 口話/読唇も含めて、声で話すことという風に私は解釈していますが、書かれた資料によってもしかしたら 定義が微妙に異なっていることもあったりします。

Mau:それでは、読唇と口話は一対になってコミュニケーション手段として機能すると考えても良いでしょうか?



Chie: 読唇と口話も一緒と考えていただいた方が混乱せずにすみますね。

Mau: 現在ちえさんは、手話、筆談、口話というコミュニケーション手段を組み合わせて生活をされていると思うのですが、それらをどのような割合で使われていますか?



Chie: 話す相手、人によりますが、 筆談は少なくなってきました。

聴こえる人を対象にした場合、 手話、口話を併用しています。ろう者相手に筆談することはほとんどないですね。


Mau: 手話を介さないろう者の方とは口話でしょうか?



Chie: そうですね。口パク(声を出したり出さなかったりしますが)で、口の形をはっきりします。

そもそも、 筆談が一番面倒くさいというのもあるからかもしれないですね (急いでいるときは口話になりやすいです)。


Mau: 学生時代には、口話の厳しい訓練を受けたとお伺いました。

私は慣れていないせいか、(どのくらい正確に伝わっているかな?)とすぐに心配になってしまって、筆談にも頼ってしまいがちですが、本当はろう者にとっても聴者にとっても同時進行で会話を進められる手話ができるのが一番お互いに気持ち良く話せるのだろうと、以前は想像するだけでしたが、今は実体験として思うようになりました。



Chie:口話について、重要な話は筆談で確認する(手話が一番ですけど、それができない場合)ことがあります。


口話のコツと手話


Mau: 口話のコツみたいなものはありますか?

また、話をするときにこうした方が良いということはありますか?



Chie: コツですね、手話と同じように全体を見ます。


Mau: おお、全体なんですね!



Chie: ですので、口で話をする場合は、一字一句で話されると余計に分からなくなります。「いま/か/ら/ご/は/ん/を/た/べ/る/よ」よりも、「いまから/ごはん/たべるよ」の方がいいですね。しかし、ずっと口を見ると視力も下がってしまいそうです(笑)。



また、私が声で話すとき、時々「声が大きい!」と注意を受けますが、あれが一番難しいですね。



調整しているつもりですが、どうしても大きくなってしまって「うるさい、もっと小さい声で!」と言われて、逆に声が小さくなってしまって「何言っているか、声小さくて聴こえない」と言われる始末。



どっちなんだ〜って感じですね。手話はそこで悩む必要がないので安心ですね。



まうさんは私と話をするとき、声が大きいなとか気になっていることがあったかもしれませんが、もし、そうでしたらすみません。



Mau: それは分かる気がします。

音量に関しては・・・そうですね、静かなカフェなどでは大きくなりがちかもしれませんが、そういうこともあるということを周りの人には自然と知っていただけるといいですね。

私の場合、どうしても手話は手だけ、口話だと口のまわりだけに目がいってしまいがちなので、目が乾いて(瞬きを忘れるみたいです)しまいます。きっと身体は前のめりになっていると思います。そうですね、「全体」を見るようにしたいと思います。



Chie: 手話は手だけ、というのも分かります。そこから、一歩踏み出して、全体を見ることを覚えると読み取れると思います。英語も単語1つ1つにこだわらないで、全体を聞くような感じで取り組んだ方が分かりますよね?


Mau: 確かに英語もそうですね。
でも勉強を始めたばかりの人にはよくあることですね。仕方がないと思います。
でも不思議なことに、それでもあきらめずに、「もうだめ~!!」という時間を繰り返していくうちに肩の力が抜けて、全体で理解できるようになってくると言葉が身体に響くようになってきます。そこまでたどり着くにはやはり日々の勉強(特に文脈の中での単語学習)が必要ですね。



言葉のシャワー


Chie: 英語も手話も、リラックスしているときの方が理解度は高いですね。 赤ちゃんも、日本語を聞いて育つのと同じように最初はシャワーが必要ですよね。


Mau: そうですね、言葉のシャワーは大事ですね。大家族又は、兄弟の多い子供は一人っ子の子供よりも早くしゃべりだすと聞いたことがありますが、当然だと思います。手話も英語も浴び続けて自然にそこにあるようになるのが理想の形だと思います。

英語の場合については、一人でいるときはなるべく英語圏のラジオ放送を聴いたり、洋画DVDを流しっぱなしにして海外にいるような錯覚を起こす工夫(あがき?)をしています。



Chie: 人によるかもしれないですが、人によっては言葉のシャワーが英語であったりスペイン語であったりするのと同じように手話であったりという方もいますね。




口話が招く誤解


Chie: 今回、読唇について取り上げたいと思ったのは、聴こえる人から「ろうの方は、口を見たら分かるんですよね?」と言われるのが多いのでその辺りの誤解を少しずつ、解きほぐせたらと思っていました。



なぜ口を見たら分かるという考えになるのか、私にとっては不思議でした。日本人同士だからということかもしれないですが、まうさんはどのように考えていますか?


Mau: 「ゴルゴ13」では、主人公は読唇術を完璧に身に付けているスナイパーと言われていますが、一般人はちょっとそこまでは・・・。



冗談はさておき、確かに「ろう者はろう学校では手話を必ず習っている」と多くの人が信じ込んでいるように思います。だから、「口話?手話と一緒に学校で習っているから読み取ってもらえるでしょう」ときちんと確かめることもなく思いこんでいる人は少なくないような気がします。



Chie: 情報が行き渡っていないというのもありますね。読唇術が完璧な人、この世の中には少ないんじゃないかな〜。


Mau: 一般の学校に通って高校を卒業したというろう者の方のお話をお聞きしたときに、実はものすごく驚きました。



それまで「ろうの児童は“ろう学校で学んでいる”」と思い込んでいたので、その人がどのように授業を受けているのかが全く想像できなかったからです。その後、いろいろな方からお話をお聞きするうちに、一人ひとり歩まれている経緯は違うのだから、選択肢はいろいろあって当然なのだと思いなおしました。



Chie: 一般の学校で育つ人も多く、また聾学校の中にいたろう者もいますね。



そんな中で、皮肉なことにろう者にとって口が読み取れてしまい、その場のコミュニケーションがまぁまぁ良くて終わる場合はなおさら、口話で十分だと誤解されたままになりますね。

ろう者自身も、「口話ができた方が優秀」という価値観を持つ人がいます。それくらい、口話はかっこ良く、聴こえる人に一番近い状態になれるという、コンプレックスからくる言葉だと思っています。


口話ができる=難聴者=優秀、という見方は、聾学校育ちであれば誰もが、一度は知っている話題だと思います。



特に私の学校は、口話ができることは日本語ができることにつながると教え込まれていたことがあって 「聾学校にいる生徒は聴こえる人より人一倍努力が必要」とも言われていました。



自然に聴こえる人たちと一緒の学校に通っている難聴者は頭がいいんだという見方になりました。



そして、ろう者が一番「できていない」人間だと本気で思っていました。こうした聴こえないことに対するコンプレックスの裏返しが、少しでも口話ができた方が良いという想いになり、手話の価値を自ら下げているろう者もいます。



世界の少数派も同じような境遇で、黒人が自らの肌に対してコンプレックスを抱えるのと似ているかなとは思います。



名案誕生!


Mau: 余談ですが、ちえさんはかなり読唇は上手い方だと私は思っているので、そこに甘えすぎてしまい、私の手話は上達せず・・・(あはは!言い訳ですね)。

もっとびしびしと厳しくしてもらった方が良いと思います。



先日のブログにも書きましたが、先日山の手線で同じ車両に乗り合わせた4人組の外国からと思われるろう者の人たちがものすごく楽しそうに手話で静かに盛り上がっていました。流れる手の動きはとても美しく見とれてしまったほどです。

みんなどうしてもその方たちをちらちらと見てしまいます。だってとても楽しそう!

そんな風に興奮してた人もいると思います。



どうでしょう、みんなでJRを一両?全部?借りて、手話会話であふれる電車イベントなんて!



Chie: おもしろそうですね!電車ハイジャックですねw


Mau: 電車は意外と簡単に借りれるらしいですよ。

以前“サイクルトレイン”というイベント列車に乗車したときに聞きました。



Chie: そうなんですか(笑)

それじゃ名案として、考えてみますのでそのときはご参加よろしくお願いいたします。

サイクルトレインって自転車を持ち運んでいくということですね?



手話を使ってコミュニケーションをとる人たちが増えていくとろう者自身の価値も高まると思いますし、まうさんとは少しずつ声をなくしつつお話しさせていただけたらと思います(笑)。



Mau: もちろん張り切って乗り込みますよ♪ 

自転車に関してですが、普通は折りたたんで輪行袋に入れないと車内には持ち込めないことになっているのですが、そういった電車は自転車をばらさずに車内に持ち込めるので現地に着いてからすぐに走り出せてものすごく便利です。また、どうみても自転車好き同士なので、車内でも盛り上がります。



“シュワ・トレイン”全国から人が集まりそうじゃないですか?車両ごとに他の国の手話を使う人や、他の県の手話自慢?などがあっても良いかもしれません。



Chie: 東京辺りでしたら、乗ってくれるかもしれませんね。新潟の国体が終わってから少しずつあたためてみましょう!


Mau: 「発話」した人は、「募金」してもらう仕組みもいいかも・・・到着するまでに気持ちよくへとへとになりそうですね。



Chie: それ、学生時代にありました(笑)声を出した人は100円出してもらうルールで飲み会を開きました。そうしたら、結局ろう者が声を出してしまったので台無しになってしまって「このやろ〜」って注意の目を向けたことがありました(笑)。



Mau: それ面白いです!



ということで、口話の話から手話の話題に変わりゆく過程は社会の変化と同じですね。今、現代で人間性あふれて魅力的な人同士が出会ったときに「手話」を介してお話をしながら信頼を築いていく、そんな日々に感謝です。

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by machi-life | 2009-10-12 22:21
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