聴こえないわたし 聴こえるわたし ~ことば&暮らし~

それぞれの「ことば」を「知ること」からはじめよう
by machi-life
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第31回(2009.09.19) 『手話で あなたと 話がしたい』

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由  

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


“聴こえないわたし”-Chie
東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

“聴こえるわたし”-Mau
“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き

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新幹線+都電=片道3時間 学びの場所を衣替え

更なる出会いと学びの場を求めて、東京・武者修行にでかけることにしたMau。
初回レッスンが終わって、興奮冷めやらずといった状態です。



Chie: 良かったですね!リフレッシュさが伝わってきます^^


Mau: ありがとうございます。これから週1回×3ヶ月、教室の仕事とバランスを取りながら時間を上手に組み合わせてみようと思います。やる気の満々の人たちと出会うという意味でも、自分が今まで曖昧にしてきた部分と向き合うということでも、東京で学ぶ時間はとても刺激になりました。


Chie: すごいですね!どんなレッスンでしょうか?


Mau: 端的に言うと「英会話レッスン」なのです。メンバーは主に関東圏在住のばりばり英語を仕事で活用されてきた方々が、新たな舞台を目指して「英語で話す日本」について二時間しゃべり続けるクラスです。講師のイギリス人女性は、文法にとても厳しい方でしたが、それが嬉しいですね。きちんと訂正していただけるのはありがたいです。講師の注意の仕方、話題への切り返し方、褒め方等も勉強になります。


Chie: 講師としても大変良い刺激を受けながらの学習ができるのですね。おもしろそうです!
みなさん、英語で2時間ディスカッションでしょうか?



Mau: そうです。それが、あっという間の時間でした。

難しい問いや分からないことに対しては、臨機応変さと乗り切るユーモアが問われました。そうかと言っていい加減なことを言うわけにもいきませんし、困った!そこへ緊張も手伝って、しどろもどろ(嗚呼!)後で録音をした自分の声を聞いて・・・倒れそうになりました。次回はもうちょっと準備をして臨みたいと思います。


筆談があれば、手話は必要ない?


Mau:以前私たちのブログでも取り上げた「筆談ホステス」を読んだ方々から、「本を読んで思ったんだけど、筆談があれば、手話は必要ないよね。この本の作者は、筆談だからこそ、こんなに素敵な会話ができるのだから」と言われました。

「う~ん」と言いながらも、「でも聴者が何気なくしているような、“相手と自分が同時に会話を進行する”ことは筆談では無理ですし、筆談には筆談の良さもありますが、会話そのもののリズムを保ち続けることは難しいと思います。ろうの人同士、又はろう者と聴者間の意思疎通手段として手話は必要なものなんです。」ちえさんと以前お話をしてお聞きしたことをお伝えしたつもりですが、どうにも上手く伝わっているようには思えず・・・何となく話は終わってしまいました。

いろんな意見を持つ人がいて、そういう意見もありだとは頭では思いながらも、きちんとお話できないことを残念に思いました。私自身が手話を使いこなしていない・・・という自信の無さも出ていたかもしれません。

ちえさんはこう言われたらどう答えますか?


Chie: 「今日から明日の夜まで、全ての会話を筆談で臨んでください。そこからまた明日の夜にお話をしてみましょう」。という答え方ををしますね。2日間とも家の中に引きこもっていたら意味がないですが(笑)。


Mau: なるほど・・・。
では・・・いじわるな質問をしてごめんなさい。
もしその人が、「じゃあいいや!」と言ったらどうなりますか?


Chie: それでいいと思います、そのあとに、その人がいるところに行って「手話が必要」と思わせます。


Mau: あははは!強いですね。


Chie: ろう者の中には、日本語の読み書きが不得手な方もいます。ろう学校で教育を受けたものの、自らの言葉の習得に無頓着なのか、あるいは何らかの学習障害が合わさって日本語の読み書きが難しいろう者もいます。教員とのコミュニケーションがうまく図れずにいるのも1つの原因かと思いますが、(ろう学校の教員の中で手話が堪能な方は限られます)聴者たちから筆談で話しかけられて戸惑ったろう者を見てきました。

自分自身も、筆談だけで時折その人の意図がつかめなく、何度も軌道修正しながら話をしたことがありました。これが手話だったらどんなに楽だろう、と何度も思いました。

「筆談が良い、手話は不要」という方には、ろう者10人でその人のところへ行って道を聞いたり、何かを聞いてみます。

その人は筆談すると思うので、差し出された紙を見て、「何これ?読めないな」と日本語がわからないろう者が言ったら良いと思います。



Mau: そんなことになったら・・・「ごめんなさ~い!」と言ってダッシュで目の前から居なくなる人もいそうです。


Chie: 逃げられない空間を作れると良いですね。


Mau: ははは、追い詰めますねChieさん。そういったことは、日常的にありますか?


Chie: 逃げられたことはあります。でも、嬉しいことに一生懸命汲み取ろうとしてくれた人もいます。


Mau: わァ~っハハハ!!追いかけたのですね。やるなあ。


Chie: まだまだですのでこれからもどんどん試してみます。そう言いながらどうしても筆談で差し出された紙を見て「やはり筆談か〜」と仕方なく見てしまいます。


Mau: 私にも、たまに手話だけの日を作って鍛えてください!


Chie: 20日にしましょうか。


Mau: ほー・・・そうきましたか。Chieさんとのランチの日ですね。OK,そうしましょう!


Chie: 一時的にそうすることもできます。切り替えですので、手話モードにしてほしいときは手話モードにしますしそれでも歓迎です。


Mau: 私の場合は、手話というよりジェスチャーがほとんどですがそれでも良いですか?


Chie : ジェスチャーは人間に備わっている伝達機能の1つで自然なことです。そこから始まり、お互いにどうやって通じるようになるのかを体感しながら考える機会を通して手話に入っていった方がすんなりと身に付くと思います。

手話はジェスチャーとは別ですが、全くの別物ではない。
でも一方でジェスチャーと混在しているから手話も同じじゃないかという見方もあります、そこら辺は私も勉強中です。

手話が分からないとき、ジェスチャーで「これ何?手話では?」と聞くことがあると思います。それができる人とできない人がいます。黙り込んでしまう人がいるので、お互いに伝え合うためにはどうすればいいのか、と考えたときに「手話」につながったらいいですね。これは、英語もスペイン語も同じですよね?



Mau: なるほど・・・もし、言葉が書いても話しても伝わらないとしても・・・その時の状況にもよると思いますが、目の前に一生懸命に何かを伝えたい、伝えようとしている人がいたら、やっぱりどうにかしてつながりたいと考えるでしょうね。そしてたった一度かもしれないし、継続してそんな状況が起こった後のことなのかもしれませんが、その人を通して未知の言語に興味を抱くことは自然なことかもしれません。

言葉の通じない相手に出会い、「どうしていいのか分からない!どうしたらいいの~!?」というときに、「じゃあこうしよう!これがだめならああしよう!」という素早い思考の切り替えは、国のほとんどが日本人で占める国で暮らしている私たちには練習をする場は多くないと思います。日本で暮らす、日本語以外の言語話者にとっても日本人の反応に驚くこともあれば、戸惑うことも多いと聞きました。まだまだお互いに知っているようで知らないことがたくさんあるのだということなのだと思います。

でもこれも私たちもブログでよく話をしますが、慣れの部分も大きいと思います。
慣れるためには会う機会を増やして、何もせずとも同じ空間を一緒に過ごす時間も必要だと感じています。

ちえさんのスパルタ計画は大賛成です。私にとってもまだまだ未知の「手話時間」、「手話の世界」にどんどんいろんな人を引っ張り込んでください、手話の素晴らしさについて教えてください!


Chie: 日本人が多数を占める国だから「伝え合う」ことについての意識が他の国と異なるかもしれないですね。

高校時代に、アメリカから黒人女性が国際交流として聾学校に来たことがあります。彼女は聴者で手話ができない方でしたので音声で英語を話してみました(先生のススメもあって)。でも予想通り通じなかったですね。私が紙に英語を書こうとしました。

そのときに彼女は「No!」と言って、もっと話をしてごらんというジェスチャーで、文字に頼らず、音声にも頼り過ぎずに会話をしましょうと促していました。

当時は促されるまま、通じたいという想いで手話と英語を一緒に発したと思います。今思えば、このやりとりは、このスパルタ?計画と通ずるところがあります。

やはり日本人は、人種に対する捉え方が他国と違うかもしれません。
たとえば、アメリカ人やスペイン人だったら見た目で目の色や接していて、外国人だと分かりますが、ろう者の場合、日本人だから同じ人種として見ます。そもそも、聴こえない人は外見だけでは判断ができないですよね。

日本人同士では話がほとんど通じないという経験がないから、日本人同士だから筆談で通じる、ということはあるんじゃないでしょうか。

共通の見解というか日本人だから日本語がわかる=手話が分からなくても日本語を書けば通じるというようなもの。 どうでしょうか?

そういえば、以前まうさんの教室を訪れたとき、Yさんは以前と比べて手話で話しかけてきましたね。
通じる言語を選んでのことだったので、話しやすかったです。



Mau: Yちゃんも、私とちえさんの関係をうらやましそうに見ていて(笑)手話本をどこかから持ってきました。

「日本人だから筆談でいいや」で思い出しましたが、中国へ旅をされる方から、いざとなったら漢字で書けばいいから安心だという声を聞いたことがあります。

また、「この国にはこういったお国柄がある」という言い方も良く聞きます。
私には、「何か理不尽な事があっても、こういうわけだから仕方がない(納得したい)。
あるいはある程度のことを知ることで安心したい」という気持ちの表れのようにも聞こえます。
怖いのかもしれません。

もしあえて、日本人を聴者に近い人と、ろう者に近い人に分けて考えるとすると、ろうの人たちの言語である手話以前に、日本人のろう者の方々の生活の仕方、住まい方、考え方についてChieさんたちと出会う前までは何も知らないわたしがいました。

「フランス人はこういう人種」とか「メキシコ人はこういう人種」と言えるほど、私たちは日本で暮らすろうの人たちについて知らないんです。

そのことをお互いに認め合ったり、もしお国柄のようなものがろう者にも聴者にもあるのだとしたら、それを必死に知ろう、探ろうとしているのが、私たちの今なのだと思っています。


Chie: ろう者といっても聴者と同じように多様ですが、ろう者によく見られる行動傾向等はこのブログを通して発見できたらと思っています。これが日本という国の上で生きるときに必ず役に立つと私は思っています。

もう少しお話を進めたいのですが、時間がぁぁぁああ!



Mau: そうでした!!


***


今回は国境を意識した内容になりましたが、世界は広く、手話も各国によって異なります。
英語、中国語、フランス語、スペイン語のように多数の音声言語があるように、
手話にもアメリカ手話、フランス手話、等があります。

言葉っておもしろいですね。「伝え合う」ための手段として言葉が発展していく。
人を動かすのも言葉ですね。

だからこそ、発するときは適度に気をつかいつつ、
自らを示しながら伝え合えることが一番良いのかもしれません。


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by machi-life | 2009-09-18 19:59 | mau+chie life
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