聴こえないわたし 聴こえるわたし ~ことば&暮らし~

それぞれの「ことば」を「知ること」からはじめよう
by machi-life
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第29回(2009.09.04) 『聴こえる世界、聴こえない世界の狭間で』

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由    

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


"聴こえないわたし”-Chie
東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き

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東京帰りのMauさん、興奮する!

Mau: 久しぶりに東京へ行ってきまして、いまだに興奮冷めやらずの状態です♪

「TOKYO」は同じ日本でありながら、古いものと最新のものが無秩序に入り混じっている不思議な場所です。私にとっては外国に近い場所かもしれません。生活の光と影を強く感じる空間でもあります。


Chie: 外国に近い場所というのは、興味をそそられるような出来事もあったのですか?


Mau: まず新幹線ですね・・・・「えっ!そこから?!」と思われそうですが(笑)。

高速道路を100キロぐらいで走っている車を横目に、当り前のように抜き去る乗物に乗車できる国に暮らしていることに・・・毎度のことですが、新鮮に感動します。

上野で降り、東京国立博物館へと直行しました。初めて行きましたが・・・仏像を始めとする美術作品の美しさに感動しっぱなしです。この一年弱の間に改めて日本史と地理を勉強したおかげで、まだまだ浅い知識でしかありませんが、今まで気付かなかった視点で日本の美について考えることができたように思います。これらの作品は無言のまま歴史を見続けてきた上に、戦争、火事、地震・・・さまざまな困難を乗り越えて、よくもまあ今も美しく、こんなに堂々と立っていてくださいました・・・ありがたや、ありがたや・・・とここでまた感動ですよ(涙)。


Chie: すごいですね!感動できるくらい、今まで培ってきた物がすべて、つながってきてそこで自分とのつながりも見えたということでしょうか。東京へはどれくらい久しぶりでしたか?


Mau: うーん、お正月に横浜&鎌倉に行っているのですが、東京そのものには一年半振りぐらいでしょうか?あの頃は、こんなに仏像好きになるとは思いも寄らず。人はいつでも変われるものなのね、と自分を実験台に驚かされてます。ちえさんは東京にはよく行かれますか?


Chie: 東京でそういう感動を見つけられるってすごいなって思います。

東京は、雑踏した雰囲気、たぶん私が行く場所がほとんどそうだからかもしれませんが、東京でもこういう場所があったんだなって何だか、別の東京を垣間見たような気がします。2ヶ月に1回は行っていますね。無意識ですが、気がついたら「また東京へ行くんだ」という感じです。でもこれからは、東京へ行く機会は減るかもしれないですし、やはり東京へ行くなら時間を惜しまずに観光してみたい!!



Mau: 二か月に一度だと結構頻繁ですね!今までは主にお仕事やお勉強で行かれているのですか?観光する時間はあまり取られていないようですね。


Chie: そうですね。勉強会に行くついでに友人と久しぶりに会ってお茶するだけで観光らしきことはしていないです。東京で観光する場所ある?と新潟の人に聞かれると「あれ?何だっけ?」と考えてしまいます(笑)

東京には、学生時代の友人宅に泊まらせていただいているので助かっています。今度新潟に呼びますので、ぜひまうさんにも紹介したいですね。



Mau: あの人混みをくぐり抜けて半ば人に酔いそうになって歩く頼りなくいつまでも慣れない感覚に、「いやん、田舎者!」と思ったりするのがまた楽しいですよ♪あれもまた東京名物かなと。ぜひ、ちえさんのお友だちにお会いして学生時代のお話を聞いてみたいです。


Chie: 東京は歩く人、早いですよね。ヨタヨタ歩いていたら、いつの間にか追い抜かれそうです。

東京にいる友人とは、タイへ行ったことがきっかけで仲良くなりました。面白いことが聞けたらいいですね(笑)。東京ではどこかに泊まられましたか?



Mau: 水道橋の大きなホテルに泊まりました。JRの新幹線+ホテルのパックでなんと16000円!嬉しい誤算だったのは、あまりにも素敵で豪華なホテルだったので、フロントではバックパッカーな自分がアンバランスだったことです。少し恥ずかしかったです。


Chie: パック安いですね!16,000円というのは往復でしょうか?沖縄行きだったら2倍はかかりますね。


Mau: 往復ホテル付きですよ~。そんなに安いパッケージなのに、参考までにホテルの朝食の値段を聞いて見たら、普通の朝ごはんで3000円と言われて驚きました。日本は面白い!


Chie: 3,000円!?ぼったくりじゃないですか(笑)

すごいですね!!!そのパックはインターネットで申し込みですか?気になりますね、格安でどうやって利益をとっているのかなとか。



Mau: ネットでもビュープラザでもできます。仕組みはまったく分かりません。大きいホテルでしたから、空室にしておくぐらいなら安くても泊まってもらおうという狙いもあるのかもしれませんね。新幹線の時間帯が指定されるなどいくつか決まりごとがありますが、それでもお得なプランには変わりはないとおもいます。

そうそう、山の手線の車内では、外国の聾者グループをお見かけしました。一人の女性はお祭りに行かれるのか、「浴衣」を着ていました。東京に住んでいらっしゃるようでした。

表情豊かにとても楽しそうに皆さん手話でお話をされていました。ものすごーく話しかけたかったのですが、あまりにも会話に夢中になっていてようすに、お邪魔するのはいけないと断念。東京に住む人は、さまざまな国の方々と自然な形で出会うことが多そうで羨ましいです。


Chie: 新潟も最近、ロシア人やアラブ系の人々を見かけます。外国のろう者が東京で生活していること、最近よく聞くようになりました。今度、外国人見かけたら話しかけますか?(笑)

そういえば、外国人のろう者が東京で手話を教えているということも聞きました。そこから学んで、コラボして新潟でも、英語とアメリカ手話が一緒になったら企画として良いかもしれないですね。



Mau: あの日、ちえさんも一緒だったら心強かったなあ!コラボ企画の実現はいますぐとはいきませんが、来るべき時が来るまでお互いに頭の中に置いておきましょうか。


海外の手話

Chie: まうさんがアメリカ、南米にいる頃、手話は見かけましたか?


Mau: 実はないのです。


Chie: ちらっと見たということもないでしょうか?


Mau:盲の方にはさまざまな場所で活躍をされている場面に多く出会っているのですが、今思えば気付かなかっただけなのでしょうね。


Chie: もしかしたら、どこかで遭遇していたのかもしれないですね。そのときによって、タイミングはあると思います。今までは目を向けていなかったのか、急に見えてきたりしますよね。

関心を持ったときに、それらに関することがタイミングよく周りに起きるような感じ。

まうさんとの出会いを通して、ブログという形ができて、私自身、聴こえる世界を少しずつ知れるようになってきています。

実は、聴こえる世界と聴こえない世界の狭間にいて苦しいなって思うこの頃です。

でもその苦しみは、知らないままでいるよりは、よっぽどいいことなんだろうなぁって思います。

まうさんは南米で生活しているときにそういうことは起きませんでしたか?



Mau: すみません、進む前にお聞かせください。今、聴こえる世界と聴こえない世界の挟間にいて苦しい気持ちでいる?(又は居た)ということでしょうか?その気持ちについて、もうすこし詳しくお聞かせいただけますか?


聴こえる世界、聴こえない世界の狭間で

Chie: 漠然ですが、聴こえる世界での常識と聴こえない世界での常識が違うことですね。

ろう者といっても一括りはできないのですが、ろう者にとって当たり前のことが聴こえる世界では違っていたり、その逆もあります。

たとえば、叱ると怒るの違いについて。

仕事上、部下が失敗したとき上司が注意をする場面。

ここでろう者の場合は、怒ります。聴こえる人は人によりますが、叱ることができます。

私にとって怒ると叱ることの違いは分からないままでした。怒ることは、感情的になり「また怒っているなぁ」と相手にされなくなりますが、叱ることは本当に注意されたと相手が意識することできるということだと 最近知りました。

聴こえる人を一括りにすることはできませんが、ろう者の中で、叱るのが上手な人、人材を育てるのが上手い人を観たことがなくて1つの怒り方しか知らなかった自分がいました。

すみません、うまく説明ができないですが、他には聴こえる人がイメージしやすい話をする力がまだまだ足りないと感じています。まうさんとのチャットで気付かされるように、いつの間にか自分の中で分かっていて完結してしまうときがあります。


Mau: ちえさんはすごいなあ!今まで「叱る&怒る」ことについてこんなに考えたことはありませんでした。聴こえる人も同じですよ、きっと。

部下のために「叱る」人も、その行動に出る前には試行錯誤をしたり、言い方を考えてみたり、なぜこうなるかなあ?と挫折感と悲しい気持ちが入り混じってみたり・・・内側でのそういった葛藤を越えて、外側には「叱る」という行為として出るのかもしれません。


Chie: そういうことなのですよね。「怒るのと叱ることの違いも分からないの?」とスタッフに言われてちょっとグサッときました。今の私は「怒る」ことしかできないため、怒られた本人は聞こうともしないし、やがては忘れてしまいます。


Mau: 知り合いのお母さんは、「一般的に親が子どもを叱るときには、その子のためを思って叱るものだと言われることが多いけれど、それはいつも正しいわけではない!私が子供を叱る時は、私自身の腹が立って怒っているときだ!!」と中学生のその人に向かって言ったそうです。

それを聞いた時は思わず吹き出しちゃいましたけど、母としての愛情&人間としての葛藤が入り混じってお母さん自身もどうしようもない心境にいることが分かる言葉です(笑)。


Chie: 怒るのと叱るのとらえ方は、人によって異なるのでしょうか?「何でそんなことも分からないんだ?」という感情がある以上、相手には伝わらなくなるんですよね。


Mau: そう思いますよ。「叱る」も「怒る」も私の中ではあまり区別がありません。

どうして「そんな怒る(叱る)のか?」考えてみると、「自分の思い通りにならない」から「叱ったり」「怒ったり」することが私の場合は多いようでした(相手が理不尽なことを言っていたとしても)。

叱った結果として、言う方と言われる方の関係が良くなることはあまりなく、お互いにぎくしゃくしてしまって、これは生産的ではないなとそろそろ気づいてきました。「上手に部下を叱る」なんて本が本屋に行くと並んでいますが、なんだかそれも嘘っぽい気がして、そこまでして叱らなければいけないのであれば、何か別な選択肢はないのかな?と思います。

実際に、私の周りにはあからさまに叱ったり怒ったりしなくても、本人が気付くまでひたすらじっと変わらない愛情と信頼を持ち続けて笑顔で待ってくれる人たちがいます。人の振り見て我が振り直せを実践している方々です。

決して誰にでもできることではなく、とても難しいことです。私自身が「ちゃんとした状態」ではないときに会うと、無い物を見せつけられて落ち込んだ気分になることもありました。

何も言われていないのに、言葉で叱られていないのに・・・なぜかその人たちの姿を見ていると自然と自分の背中が伸びて反省する気持が生まれてくる。

他の誰でもなく、自らを叱ったり、怒ったり、激励することができる。そこで初めて、叱ることにはさっき登場したお母さんの言葉のように愛情がないと相手に伝わらないと思わされるのです。


Chie: 男性と女性の性的な違いもあるのでしょうか。人を育てることは自分自身が育っていない状態では難しいですね。自分を育てながら人を育てられたらいいですけど、人を育てることは、もしかしたら、自分を高めてくれることと同義なのかもしれません。でもそれが今の自分にはまだできていないなって思いました。


Mau: 個体差はあると思いますが、男女の違いはそこには無いように思います。「人を育てる」とは、会社勤め時代には上司に良く言われましたが、私にはいまいちピンと来ませんでした。


Chie: ピンと来なかったということについてもう少しお話を聞かせていただけますか?


Mau: 私自身「いまきっとこの人は私を育てているのだろう・・・」と冷静に感じることはありましたが(嫌な部下ですね)、そういうときは相手も私も希望に沿う結果を出すことはできませんでした。なぜなら、私はその人のことを心の底からは信頼することができなかったからです。

でも、私に何も期待していない(そんなことはどうでもいい)けど、「この人の役に立ちたい!」「同じ夢を見てみたい!」と思える人に出会ったときは、自然と植物が太陽の方に体の向きを変えるように、いつの間にか自分は変わっていきました。それは「私が変わりたい」と願って行動したから変わりました。


Chie: 確かに信頼できることと信頼できないことは違ってきますね。
人が動けるのは、自分自身が動ける根本的なところには信頼があるのかもしれません。

このことについて、そこまで深く考えたことがなかったのでもう少し、人を育てることはどういうことなのか、なぜ会社は人を育てることにつぎ込むのか、人が育つところってどういう場所なのか、私自身よく分かっていないですので考えてみたいし、別の機会にまうさんとお話をしてみたいです。



Mau: 「人を育てる」って、改めて言葉にするとすごいことです。「植物を育てる」「動物を育てる」・・・ちょっと変化球で考えると、「命を育てる」「死ぬまで面倒を見る」・・・そんなことまで連想していきそうな壮大なテーマに思えてきます。会社の「人材教育」は、「会社にとって便利な社員を育てる」ことにしか私には思えませんでした。「人間を育てている」とは到底思えなかったのです。きっとちえさんが考えている「人を育てる」は、そういうことではなく、長い目でこれからも続いていく「命を育てる」ことなのではないのでしょうか?

そうだとしたら・・・誰かのマニュアルはあまり参考にならないかもしれません。
ちえさん自身が、作っていくもののように思えます。
ああ、お話は尽きないのですがもうこんな時間になってしまいました。この続きはまた改めて・・・。


Chie: そうですね、まだまだ想いがたくさんありますし、まうさんの話も聞きたいので時間を作ってお茶したいですよね。


Mau: 美味しいお店探しておきます。


Chie: ありがとうございます。そろそろ、スナックにもお邪魔したいですね。


Mau: おお・・・いろんなイベント目白押しでしたね~!すなっく「まう」は、逃げませんので、お楽しみに・・・(笑)。


Chie: 楽しみにしています♪これからもイベントがいろいろあってわくわくしますね^^


Mau: 食欲の秋にもわくわくしてきましたよ。どうぞよろしくお付き合いください。


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by machi-life | 2009-09-05 05:05 | mau+chie life
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