聴こえないわたし 聴こえるわたし ~ことば&暮らし~

それぞれの「ことば」を「知ること」からはじめよう
by machi-life
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第27回(2009.08.21) 『ヴァギナ・モノローグス』

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由    

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


"聴こえないわたし”-Chie
東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau
“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き

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ちょっとした日常、かけがえのない日々


Mau: ちえさん こんにちは!刺激的なお盆休みを過ごされたようですね。お話をお聞きするのを楽しみにしていました。

Chie:: こんにちは!今日もよろしくお願いいたします。刺激的なお盆休みほどではないですが、 久しぶりに帰省したことでちょっと「だら~」になってしまいました。

Mau: 新潟に移り住んで初めてのお盆の里帰りだったわけですが、地元に戻られて何か気持ちの変化は感じましたか?

Chie::家族でご飯を食べられるって幸せだなぁとつくづく思いました。

そして、もし今のままで帰省してずっと生活していたらたぶん、物足りなさを感じるかもしれないと感じました。それくらい、今の生活が毎日忙しいけれど意味のあることと思いました。


Mau: 家族の存在は本当に大きいですよね。離れて生活をされていると尚更身にしみられたのでは。
新潟でもあちこちで活動をしながら充実した暮らしを送っていらっしゃいますもんね。
新潟から離しませんよ~。

Chie::おかげさまでありがとうございます。捕まってしまいました(笑)。
まうさん、お盆はいかがでしたでしょうか?朝から忙しかったとのこと、充実したみたいですね。


Mau: 年に3、4回程、主にお盆、年末、お彼岸時に友人のお花屋のお手伝いをしています。

今となっては珍しいぐらい活気のある下町の商店街の中で行っています。早朝から丸2日間、太陽の下で声を出しながら動いてました。最初はちんぷんかんぷんだった、お花の名前も覚え、お仏壇用とお墓用のお花も値段相応に作れるようになりましたが、まだまだ師匠(友達)にはかないません。
彼をめがけて、2日で150人くらいのお客さんが来たと思います。

Chie:: すごいですね、それくらい頼れる方なのですね。それに、お客様は本当に大切な存在ですね。

Mau: それが・・・全くもって「頼りない存在」なんですよ♪
それがまたお客様の「助けてあげなきゃ」モードを全開にさせる・・・まさに素敵な助け合い関係。

Chie: なるほど〜!!それも素敵ですよね!
まさか、戦略の1つでは?(笑)でもお客様がこの人と接したい!という想いを持つことは重要ですよね。そして、ありがたいことです。


Mau: 彼はお客様に優しくて一生懸命。無理をしつつも休まないものですから、時に倒れたりもするんです。だからお客様もそんな彼を放っておけない。憎いキャラなんですよ。そうですね、ずばりこれも彼の戦略でしょう。

Chie: いいですねぇ^^。

Mau: それはそうと、ちえさん昨日はなにやら面白そうなイベントにお出かけされていたんですね。タイトルからして刺激的な予感です~。

女たちが×手で×声で×語る 「ヴァギナ・モノローグス」

Chie:「ヴァギナ・モノローグス」という公演ですね。

ヴァギナ・モノローグスHP http://www.sapazn.net/TVM.html

タイトルは確かに刺激的、そして、内容も期待を裏切らない刺激的でした。もともと、本があるのですが、私はそれを読んでいなく、何の予備知識もなくお客様のお誘いに応じて観に行ってきました。 以前に主催者の大橋ひろえさんからチラシが送られてきてそれをお客様たちに渡していました。そこでお客様が「観に行こう」と声をかけてくださいました。

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Mau:パンフレットには、 「年齢・人種・職種さまざまな女性にヴァギナについての記憶や思いをインタビューしたモノローグ芝居」とあります。まずこの一文に驚かされてふと立ち止まって一瞬ですが考えこみました。自分自身改めて考えたことのなかったことを突きつけられるテーマですが、よくよく考えると友達と話したりするのは、なんだかちょっと恥ずかしいように感じていたものの、特に女性にとっては、もっと注目?脚光を浴びてもいい・・・部分なのだろうなあという気はしています。

朗読の中身がとても気になります。
そしてこの舞台をサポートされている、黒柳徹子さん、ピーコさん、以前私たちののブログでも取り上げさせていただいた、映画「ゆずり葉」監督の早瀬憲太郎さん、「筆談ホステス」の著者である斉藤理恵さん・・・他、この個性的なゲスト陣を引っ張ってこられた主催の大橋ひろえさんって一体どんな方なんでしょう?!

Chie:: 私もまうさんと同じように、あらためて考えたことがなく「ヴァギナ」という言葉がタイトルとして挙げられていることは重要なテーマなのだと感じていました。でも、アメリカではヴァギナに関するお芝居といいますか、ワークショップがあるそうです。そこでは、レイプを受けたことをカミングアウトする場でもあるそうです。アメリカといっても広大なので決めつけることはできませんが、そういう背景から考えると日本では性的な言葉を使うこと自体、禁断というか、それくらいダブーの言葉になっている中であえて朗読と手話として公演することは驚きでした。

この顔ぶれですが、アメリカ帰りの大橋ひろえさん(ろう者/女優、ダンサーhttp://www.sapazn.net/ )はアメリカでワークショップを観てショックを受けたそうで、「このように女性たちが虐げられた歴史、実話は広くの人に知ってもらいたい」という想いがあったと、トークショーで語っていました。

ろう者でプロのダンサーは大橋さんの他にも南村千里さんという方がいるのですが、イギリスを拠点に活動されています。日本人でプロのダンサーと言えば、2人くらいかなと思います(もしかしたら、他にもいると思いますが、有名なのはこのお2人です)


南村千里さんHP Dance/Communication http://chisato.h-and-c.jp/index.html

その他の出演者がどのような経緯で出演されたのかは分かりませんが、、、印象的だったのは忍足さんですね。

映画「アイラブユー」(http://www.avis.ne.jp/~takaike/akiko/movie.htm)の主役で、当時はおとなしく清純なイメージがありましたが、 それが公演では感情丸出しの演技だったのでさわやかな女性というより、一段と大人になった、魅力的な女性だと感じました。


Mau:悲劇的な実話だけではなく、女性の性や出産などで感じられる喜びについてのお話も取り上げられたのかな?と想像しています。

出演者されている方は全て女性とHPにありました。同じ女性として、同性だからこそ受け取るメッセージも多くあったのではと思います。

ヴァギナ・モノローグスについては、All Aboutのサイトにも大橋ひろえさんとのインタビュー形式の情報がありました。http://allabout.co.jp/relationship/shinkon/closeup/CU20090630A/index3.htm

Chie:: そうですね。性の喜びについての話もありました。

例えば、自分のヴァギナがあれほど嫌いだったのに、好きな男性がじっと見つめていたことにより、女性らしさを知った、という話が一番、印象に残っていますし、それを実際に観たような気にさせる手話でした。

手話だけでは分からない部分もありました、これはきっとMauさんが観たらおもしろく感じると思います。音声日本語ではいろいろな言葉を使ったそうですが、手話は1つだけの表現になっていたという部分もあったそうです。でもそれは、もしかしたら、言語が違うことによって表現が多少違っていただけの差異かもしれないですが、日本語による朗読の内容を知りたいと思いました。あとで気がついたのですが、ろう者のための台本の貸出が無料で行われていたのでした。 「しまった〜」と思いましたが、思っていたよりリアリティさがあって満足できる内容になりました。


Mau: うわわわ・・・見たいですね~・・・今年は無理そうですが、ロングヒットとなって続いていく作品に思えますので、次回を待ちたいと思います。そうだ、ファンレターを書こうかな?。

Chie:: ファンレターぜひ書いてみると良いですね!今度、一緒に書いて出しましょうか?

Mau: そう致しましょう!地方でも是非!とラブコールを送りましょう!

もう一つの夏

話は少し変わりますが、先日「この子たちの夏」という朗読劇に行ってきました。
これは、広島・長崎で被爆をされた方たちの手記を、朗読、音楽、当時を描いた絵でお聞きする会でした。
私の生徒さんが15年ほど前から行っている活動です。

ちえさんが東京で観られてきた舞台とは全く違う内容になりますが、「与えられた場所で、わたしとして生きる」という意味では共通するものがあるように思えます。

Chie:: 15年間続けられている大切な活動ですね。
与えられた場所、私で生きるという意味、 昨日の公演とも共通することですね。やはり人間として生きる根本的なところが 共通しているということなのですね。


Mau: 朗読劇中には、音楽が効果的に使用されていましたが、ここにもう一つ何か・・・動きがあったらまたいいのに!と思いながら聴いていました。
講演会等のお話を聴くときは、目をつぶり、耳に集中をさせるのですが、ここに手話があってなら、より豊かに当時の状況を思い描けるような気がしました。

ちえさんが東京で観られた、「手」「声」双方向からアプローチをかけた手法での公演では、「ろう者、聴者のために」ということだけではなく、「よりよいステージのために」試行錯誤の結果として、より有効でありパワフルな手段、表現を追いかけていったその先にあった形として流れが自然にたどり着く方向へと移行しているようにも、私の勝手な解釈ですがあるように捉えています。

Chie:: ありがとうございます。、これは昨日の公演でも同じですね。動きがあることによってさらに内容が深まるということですね。

爆風で聴力を失った方もいると思いますが、ろう者による被爆の話は聞いたことがあります。
確か、長崎か広島に住んでいるろう女性は数年前にNHKにも映ったと思いますが、手話で被爆の様子を説明されていました。ところが、依頼が増えて、手話で話をしているうちに辛くなってきたそうです。他には、手話通訳の方が自分で演劇として被爆の様子を演じたという話も聞いたことがありますが、いずれもまだ観たことがないですね。

聾学校時代に、デフファミリー(両親もろう者)の同級生が被爆の様子を表した詩を暗唱して手話で表していました。それを私の母が観て 「手話は手だけじゃないんだねぇ」と感動していました。そこに被爆の様子が見えましたね。 まうさんのおっしゃる可能性は、きっと大きいと思います。


Mau: 私が知らなかっただけで、当然のことなのですが、ろう者の方でも被爆をされて今も体験談をお話されている方がいらっしゃるんですね。

Chie:: でもろう者の間で広く伝わっているかどうかは。。。観る機会が近くになかっただけのことと思います。

Mau: 私が朗読を聴きに行った日は、8月9日長崎原爆の日でした。
会場に行くと、たくさんの車が停まっていたので、多くの人が来られているのだな・・・と思ったのですが、実際に会場に集まったのは25人ほどでした。後で知ったのですが、その他大勢の方々は、隣りの建物で同時に開催されていた「高齢者によるカラオケ大会」に参加をされていました。

広島で16歳で被爆をし、父親を失い、現在は原爆症と戦いながら新潟で暮らしている女性がゲストスピーカーとしていらっしゃいました。その方は、「楽しく歌ってはいけないと言うつもりではありません。ですが、伝えていくべき世代の人たちが、なぜこの日にカラオケ大会なのでしょうか?」と言われていたことが印象に残りました。

日々情けなく、頼りなく、もどかしく感じている部分でもあるのですが、他の人の体験を「経験」することは難しいことです。

Chie: 経験を言葉で表すって難しいですね。 言葉にすればするほど、 軽くなってしまうような気もします。

Mau: 頭では分かっていて、その時には涙を流し、理解をしたつもりでいても、その場所を離れると忘れてしまったりします。
カラオケ大会に参加をしていた方々を私は非難することはできません。同時に、被爆体験をお話された女性が放った、「どうして?」という想いも切なく、強く今も心の中で響いています。

友人で世界を旅している人がいますが、彼は旅の話を人にしたがりません。私が聞くと、「本当に知りたいの?僕の体験を聞いても、君の体験にはならないんだからつまらないよ。」と言います。それもそうだなあ・・・と思う反面、その人のフィルターを通した世界を見てみたいとも思うのです。そしていつか私もそこへ行けたら・・・と夢を描きます。

でも戦争や被爆の体験は、決して繰り返したくない経験です。
いまだに戦争の話はしたくない、聞きたくないと言われている方もたくさんいるとお聞きしました。
当時のつらい記憶を思い起こして語る人と平和な時代しか知らない私たちには簡単には分かり合えない空間が広がっているようです。戦争については、当事者からお話をお聞きしても、体験していない私たちには想像すらことさえ本当はできていないのではと思わされます。

それでもやっぱり本当の言葉を聞き続け、考え続け、知ることをやめないでいたいですね。

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ヴァギナと広島、長崎。
途方もなく話題がずれてしまったようにも感じますが、近いのに、それでいて遠くて、つかみきれなくて、一つの答えでは導きだすことのできない二つが、一つのブログの話題としてさまざまな方が目にする場に上る ・ ・ ・ こういったことを公の場で話し合える、表現できる。
人として、女性として選択することのできる時代そして国に、私たちは生きています。

2009年の夏。
皆さんはどう過ごしていらっしいますか?

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by machi-life | 2009-08-21 13:23 | mau+chie life
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