聴こえないわたし 聴こえるわたし ~ことば&暮らし~

それぞれの「ことば」を「知ること」からはじめよう
by machi-life
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第21回(2009.7.10)  "アメリカと留学の巻"

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。

"聴こえないわたし”-Chie

東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau

“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き

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Mau: 今日は暑かったですね。

Chie:暑かったですね〜 頭がぼーっとして、仕方なく昼寝をしたら、その後は頭が回るようになりました。まうさんはいかがでしたか?

Mau: 今朝、我が家にホームステイをしていたアメリカの男の子たちを見送ったら、安堵感と寂しさが入り混じった気持ちになってぐったりしていましたが、お昼寝をしたらすっきりしました。

アメリカの少年合唱団来日について

Chie:音楽隊でしたね。土曜日にりゅーとぴあへ行ったのですが、チラシだったか、そのような情報がありました。

Mau: そうなんです、フェニックス少年合唱団(Phoenix Boys Choir) というアメリカ最大規模の少年合唱団員が今回ジャパンツアーのため来日しています。現在も東京や神奈川県の会場で公演を行っています。

Chie:まだ若い少年たちでしたよね。

Mau: ええ、奇しくも私が23歳~25歳の時に留学をしていたアリゾナ州からの11歳~14歳の少年たちでした。来日する前から不思議なご縁を感じていましたが、彼らと実際に会って、ハグをしたら、アリゾナの壮大な風景を思い出して懐かしい気持ちでいっぱいになりました。

Chie:アリゾナの空気が感じられましたか?

Mau: びりびりと感じました。4泊5日を一緒に過ごしましたが、彼らの話の中に出てくる地名や地域の大部分が訪れたことのある場所でしたので、お互いに親しみを最初から持つことができました。その土地の空気や匂いというものは身体にしみ込んで、いつもは影を潜めているけれど、ふとした瞬間にパアッと出てきてより繊細な部分での感情を呼び起こしてくれます。

Chie:共通点があるからこそ、話の中身も深まるし、その場にいた経験を分かち合う関係だからこそですね。会話はもちろん、英語でしたか?

Mau: そうですね、会話は全て英語でした。彼ら専属の看護士の女性が付き添ってこられていましたが、彼女は片言ですがスペイン語もお話されていました。
近年アメリカにはスペイン語を母国語とする人たちが増加しているので、特に人種、国、性別等に関わらず皆が必要とする医療の場面では用意された通訳がいつも一緒にいるわけではないので、看護師や医者もスペイン語を習得する需要を感じていると話されていました。

今回来日している少年たちは、ちょうど子供と大人の真ん中を右に左に揺れ動いている時期ですから、大人の会話が成立するようなこともあれば、お散歩中には現実の話かと思って真剣に耳を傾けていたら、実は彼の空想ストーリーだったりもして・・・子供らしい脈絡のない会話も面白かったですね。

日本に居ても同じことですが、こういうときはいちいち単語に気を留めて話を聞くのではなく、この人は今私にどんな気持ちを伝えようとしているのかな?と考えるようにしています。
相手も私もリラックスをして、体全体でふわふわっと受け止めて聴くという感じでしょうか。
細かい聞き落としや言葉の足りなさは相手の表情や想像で補うこともできますが、それを大きく超えた予想外の展開があった時もお互いに目をまんまるくして状況を面白がることができたと思います。

Chie:手話を使うろう者たちと接する度に、手話の需要を感じる人が出てくるのと同じですね。
単語1つ1つにこだわっていたら、24時間も身体持たなくなりますし、脈絡を受け止める(メッセージを受け止める)楽しみも変わってきますよね。
結論がどうなろうと、最終的には「おもしろかった」と思える話ができるっていいですね。


Mau: 同感です。
出会う前に想像していた少年たちが、実際に出会うと少し形を変えて、何日か過ごすうちにまた形を変えていく・・・5日間向き合ってみても、お互いに見えたのは断面的なものでしかないわけですが、こういう「もの足りなさ」を残して終わることも、次のステップへの原動力になることもよくありますから、彼らはもちろん、そして受け入れをさせていただいた日本のホストファミリーも今回のことをきっかけにまた予想もしない形で未来につながっていけたらなと思います。これからが楽しみです。

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*日本といえば寿司? (2009年3月 デンマーク・コペンハーゲン空港にて)*

アメリカの少年との会話から

Chie:アリゾナの空気を吸っていたら、アメリカに行きたくなったとか、そういう気持ちは起きましたか?

Mau: 不思議とそういう気持ちは起こりませんでした。もっと一緒に居て、同じものを食べながら、見ながら、体験しながら時間を過ごせる未来が来るといいなあ・・・と考えていました。
彼らの日本を見る目がとても新鮮だったから、私も改めて日本に居ながら彼らの目線でいることができました。国内に居て海外を感じる面白い体験でしたね。

Chie: 同じ目線で、今を生きるということですね。国内に居て海外を感じる、これが異文化交流の魅力ですね。
例えばどういう体験が一番面白かったでしょうか?


Mau: そうですね。なかなかこれっ!という派手なエピソードはないのですが・・・。

我が家にはインド系のアメリカ人の少年たちがホームステイをしていたのですが、一人は好奇心がものすごく旺盛で何にでも興味を持って質問を投げかけてくるタイプでした。
もう一人はいつも静かにしていて、澄ました感じに見えました。家にいる時は私たちの話を黙って聞いているか、彼が普段から付けているという日記帳に長い時間をかけて何かを綴っているようでしたが、何を彼が感じているのかは話からはなかなか見えてこなかったんです。

あるイベントからの帰りの車中、いつもおしゃべりな男の子は眠っていました。
そのときにあまり自分の気持ちを話さない彼が、「僕はその土地に行って、いろんな風景を眺めながら、ここに大昔はどんな人が何を考え、何をしながら住んでいたのか想像してみるのが好きなんです」、と話してくれました。

6歳から合唱団に入り、さまざまな場所を訪れ歌う彼の内側に大きく広がる世界を少し見ることができました。

もっといろいろな面を見たかったなあ。 I miss them .... 少しほっとしている反面、ああ彼らがここにもう居ないのが寂しい。
今はそんな相反した気持ちです。

Chie:すてきな経験をされたのですね!!うらやましい限りです。

Mau: ありがとうございます。一人の人間として、対等に付き合えたと思います。

Chie:異文化交流は本当にいろいろな発見があります。

Mau: そう思います。
特に彼らの場合、ツアーはお仕事ではありませんが、選ばれたメンバーとして日本国内のツアーを成功させることを目的に来日しています。
そういう意味ではプロフェッショナルですから、年齢に関係なく、彼らが目的を気持ちよくやるべきことをできるように考えてこちらもお迎えしました。

彼らも自分たちが来日している第一の目的は意識をして行動しているようでした。
大人の方々は、指揮者、ツアーコーディネーター、伴奏者、看護士と来ていらっしゃった他に、中間的な立場として昔は少年団員だったOBが同行していました。
よほどのことがない限り、指揮者やコーディネーターが演奏の場以外で少年たちを注意することはなく、そういったことはOBに任せていました。
日本なら思わず口出しをしてしまいそうでしたが、みなさん適材適所で待機をしていて他の人の役割を奪うことなくそこにいるという態度を取っていました。
とても気持ちの良いお互いを尊重しあうスタイルだと思います。

少年たちも今自分たちがここですべきこと、そしてあまり好ましくないこと、言いにくいことに対しても黙っているのではなくきちんと言葉にして説明をしてくれました。
小さい時から、きちんと自分で考えて育ったのだろうなと想像しました。迎える私たちも、曖昧にしたりするのではなく、きちんと分かってもらえるように説明をしたつもりです。

Chie:それを直接言葉にできることは、一見普通かもしれないけど大切なこと。役割分担ができている周りの人たち、そして、少年でそれができるって良い環境で育ったと伝わってきます。
自分で考える、それって本当に大切だとものすごく実感しています。

Mau: そうですね、自分もきちんとそれを主張をして話をして、受け入れてもらえるなら貫くけれど、もし拒否されて、自分もその理由を受け入れることができたら、ちゃんと気持ちを切り替えられる人たちでした。
やってみて(言ってみて)だめなら、諦めるけれど、それをしないで諦めるという生活を送っていないから、気持ちよく生きられるのでしょうね。そしてみんながそうやってバランスを取りながら生きていられるって気持ちがいいですね。
受け入れたり、受け入れられたり・・・そういえばこういうことをアメリカで学んだのだと思い出しました。

異国の地での留学について

Mau:ちえさんは留学してみようと考えたことはありますか?あるとしたらいつ頃ですか?

Chie:漠然ですが、留学してみようと考えたことはありました。大学2年の時、ダスキン障害者リーダー育成事業でグループの研修旅行を計画しました。そのときに渡航先がアメリカでした。
ニューヨーク州、カリフォルニア州それぞれに五日間滞在。
このときが初の海外旅行だったこともあり、「もっと海外の事を知りたい」という気持ちが帰国後も残っていました。

もともと異文化交流は、親戚の中にブラジル人が居たこと、兄が語学を学んでいたことから興味を持っていたことから、
異国に身を移すことで得られるものは絶対にあると感じていました。

実は大学時代の同期が留学生としてもうすぐアメリカに出発します。
まうさんのように、異国で感じ取る体験は後の人生に活きるので留学してみたいなという漠然とした憧れは今でもありますね。

1つ不思議なエピソードがあるのですが、アメリカで出会った日本の留学生がなんと新潟県民でした!


Mau: 新潟県民ですか。おお、新潟とのご縁はその時から続いていたんですね!
アメリカでの滞在はホームステイですか?

Chie:滞在中は研修中ということもあり、ホテル暮らしでした。ここでの経験も良い経験になりました。
ホテルのフロントを15歳くらいの少年がやっていたことにカルチャーショックを受けました。
日本のビジネスホテルといえば、大人がやる仕事。それを覆されたというか、
日本での視点が違うと体感しました。今でも、忘れられないです。
まうさん、留学という行動に移したきっかけは何でしょうか?


留学を決意したきっかけ

Mau: 初めてのホームステイ体験は高校2年生でしたが、そのときに味わった「伝えたいことを伝えられない悔しさ」が、後に留学を目指すことになったきっかけです。

Chie:そういう体験が基になったんですね。

Mau: ホストファミリーも素晴らしい人たちだったので、一気にアメリカが好きになっちゃいましたね。単純です。
最初は身振り手振りでどうにかなりましたが、内容がこみいってくると途端にだめですね、伝わりませんでした(泣)。

Chie:コミュニケーションはジェスチャーだけでは伝わりきれない物がありますね。私はその前に、アメリカから帰って家族や周囲に「留学する!」と宣言したものの、現実の壁に突き当たってしまいました。

Mau: 現実に戻ってきて、留学熱は冷めてしまいましたか?

Chie:留学する目的が何なのか?自分の中で定まっていなかったんですね。同時に、他の国も見てみたいという想いがありました。
アメリカはアメリカ。その頃に、ベトナムというキーワードが学内で出てくるようになり、アジア方面に関心を持ちました。そして、 実際に行ってみました。

留学してどうするのか、実際に留学してその後はどうするのかという計画性がゼロだったの
で家族はものすごく心配したのだと思います。それに、先輩たちが何人か留学しているのを見ていたこともあって慎重になっていました。


Mau: なるほど・・・今回留学をされる同期のお友達はろうの方ですか?

Chie: ろう者です。今はアメリカ手話と英語の勉強に励んでいるみたいです。

Mau: 楽しみですね!ちえさんも遊びに行けるといいですね。

Chie: そうですね、アメリカには知り合いが数人留学しているので行けたら会いたいですね。

留学への憧れについて

Chie:今年の冬にフィンランド、スウェーデン、ドイツへ行ったときも、やはり、「そこへ滞在して、学びたい」という想いは出てきました。
でも、まずは国内で地域でできるようにならないと!という気持ちでしたので、今回は留学について全然考えなかったですね。

憧れは憧れということでそのまま帰ってきました(笑)


Mau: 私も今は同じ気持ちです。今居る場所でしたいこと、しなければいけないことが山積みなので、それを一つ一つ着実に楽しみながらやっていけるかが今の私の課題でありしたいことです。ぶれないことで初めて見つけることのできるものがあるのだと少年たちからも改めて教えてもらった気がしています。

Chie:何をしたいのかを探しに行くことも、留学することへの1つの道ですが、その前に自分の中での芯みたいなものが固まっているかどうかです。
それがない限り、どこへ行っても迷い続けると思います。人生は迷いの連続かもしれないですけど、判断するための基準が自分の中にあるかないかだけでも違ってくると思います。

新潟でやることがあるので北欧から帰るときはには後ろ髪を引かれる想いでした。でも日本に帰ったらすぐに「新潟でやるぞ」という気持ちになりました。
1つ1つ片付けながら、楽しみながら着実に前を進んで行きたいですね。


Mau: 仕事+遊びを兼ねていつか海外にも一緒に行けるといいですね!

Chie: そうですね。温泉にでも行きたいですね〜。

Mau: そうでした、三条の温泉でしたね!電車での旅の提案も嬉しかったです。
電車での旅も久しぶりなのでとても楽しみです。

Chie: 電車の旅!きっと楽しいですよ♪

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異国の地に想いを馳せた二人、今回は留学がテーマでした。
皆様の留学体験、異文化交流体験のお話を聞いてみたいです!ぜひコメントにてお聞かせください♪



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by machi-life | 2009-07-10 00:29 | mau+chie life
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