聴こえないわたし 聴こえるわたし ~ことば&暮らし~

それぞれの「ことば」を「知ること」からはじめよう
by machi-life
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第12回(2009.05.08)ライブ空間を作り出す

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


"聴こえないわたし”-Chie
東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau
“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き 


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Chie:連休はいかがでしたでしょうか?

Mau:おかげさまで、ゆったりと好きなことをして過ごしました。
りす園を目当てに4歳の姪たちと加茂山公園に行きましたが、ミニハイキングコースの充実した樹木の多い森林公園で気持ちがとても良かったです。全長150メートルの長いスライダーもあって、真剣に遊んできましたよ。Chieさんはいかがお過ごしになりましたか?

Chie:思い切り遊べて良かったですね、私も連休は先輩と焼き肉食べながらお話をしたり、久しぶりに家族と過ごしていました。たまにはお休みすることが大事ですね。
そういえば、最近、音楽についてろう学校ではどんなことをやっているの?という質問があったのですが、、、
想像できるところはありますか? たとえば、教え方とか、歌の覚え方の指導方法とか。
周りがどのようなイメージを持たれるか聞いてみたいです。


Mau: ええと・・・ろう学校の、音楽の授業と聞かれてすぐに想像することができません。 私たちだと幼稚園や小学校だと、主に歌を歌ったり、楽器(メロディオン、リコーダー、ハーモニカ・・・)をしたり、名曲を聴く(寝る)時間が多くあったように思います。主に音にふれ合う(?)イメージです。

ろう学校の音楽の時間は、どんなところにレッスンの主軸が置かれていたように思われますか?

Chie: 正直なところ、聾学校の音楽の先生に聞いた方が一番早いですが(笑)、今まで受けてきた音楽の授業は歌詞に合わせて声を出して読んで、そのあとに音楽を流して先生が歌うのを見ておうむ返しのように声を出して歌う練習が中心でした。
エレクトーンの音を聞いて歌いましょうと言われるのですが、聴こえない私にとっては、先生の口を見るか、聞こえの良いクラスメイトの口を見てペースを乱さないようについていくような感じで歌っていました。歌っているというよりは、物まねに必死でした(笑)


Mau: うわ~っ!あまり楽しそうに思えないのですが・・・。

Chie: そうですね、正直に言えば楽しくなかったです。楽器に触れることは、振動が響いて楽しかったのですが、歌うことについては忍耐力を鍛える訓練のようなものでした。音楽の授業では自分の歌のリズムが正確かどうか確認する術がないのに無理矢理歌わされているような感じでした。でも当時の自分にとっては声を出して周りと一緒にやるという一体感を感じ取ったかのようにとりあえずは歌っていました。

Mau: ろう学校ならではの楽器。例えば振動を感じやすい太鼓を中心に取り入れたりなどの「響き」を楽しむ工夫などは授業にはありませんでしたか?シンバルとか、鉄琴など。

Chie: それはありました。響きを楽しむ工夫として取り入れたかどうかは分からないですが、太鼓やシンバル、鉄琴、他には生徒の希望でエレキギターもありました。

吹奏楽部がやっている、オーケストラで使われるフルートは使ったことがないです。
縦笛も使ったことがなく、兄が使っているのを見てうらやましいと思ったことはあります。
フルートや縦笛は一般の学校で当たり前のように教わる楽器でしょうか。


Mau: フルートは一般的ではないと思いますが、リコーダーは一般の学校では恐らくみんながやったことがあると思います。
中学校ではギターの授業もありました。今は弾けませんけど(笑)。ちえさんが今やってみたい楽器はありますか?

Chie: ドラムとギターです。リコーダーというのは縦笛でしょうか?
ギターは大学時代に、ギターを持ち歩いている人がいたので少しだけ教えてもらいましたが、忘れてしまったのでまたやってみたいです。


Mau: 私が中学の時に学校で使用して今も持っているのは、アルトリコーダーと呼ばれるものです。
ソプラノリコーダーを使用することもありました。合奏したりする時です。

Chie: ありがとうございました。私が思っていた縦笛が、リコーダーです。

Mau: ギターの弦から振動を感じますか?となると、弦楽器ならば、ろう者の方が「聴く」ことはできなくても、演奏をして楽しむ(振動を?)ことはできるのでしょうか?

ちえさんにとって音楽とはどういうものですか?

Chie: 振動を感じることによって楽しむということですね。
聴こえなくても振動+踊りがあるとたぶん心地よく楽しめると思います。私にとっての音楽とはどういうものかといいますと、、、簡単には答えられないですが、音楽は未知の世界にあるもので、いろいろな意味で深いだろうなぁという憧れがあります。まだ音楽についてどのように捉えていいか分かっていないけど、「知りたい」という気持ちがあります。


Mau: 音楽コンサートやライブに行ったことはありますか?

Chie :この間、お客様からのお誘いでミスチルのライブに行きました。すごく迫力があってびっくりしました。
ミスチルの歌声は聴こえなく、歌詞も分からなかったのですが、それよりもファンの方々の熱い視線、熱い応援とミスチルの演奏がうまくマッチしたかのような、両方の息がぴったりと合って一つの空間を作り上げているのだと身体に伝わってきました。


演奏と演奏の間に、トークショーみたいにボーカルの桜井さんが話をする場面がいくつかありました。
話の内容は分からなくてもいいと思っていたのですが、一緒にいたお客様が覚えたての手話を使ったり、紙に書いたりと情報を伝えて下さいました。全てを知ることはできなかったですが、それでも桜井さんの話の運び方が少し見えました。
「こうやって、次の歌に持っていけるような雰囲気を、ファンと共有するんだなぁ」と感動しました。
こういうことは当たり前でしょうか?


Mau: 新体験をされたんですね~♪ 私の想像でしかありませんが、誘ってくださった方は、Chieさんに「音楽は耳だけで楽しむものではない」ってことも伝えたかったのかもしれませんね。Chieさんの見えないものを感じる能力も素晴らしいと思います。ギフトですね。

Chie: ミスチルの歌で「GIFT」がありましたね。ライブの時から考えてみたんですが、音楽というのは音を楽しむものと、一つの空間を作るものだと思いました。

Mau: そうですね。そしてひとつのコミュニケーション手段でもありそうです。
特に大きなライブならば、その場に集う人たちそれぞれが無数の異なるエネルギーを持ち合わせることになりますから、同じコンサート内容でも毎回居合わせた人たちにしか分からない空間が生まれる。それがわくわくする幸せな空間であれば、尚更どんどん共有していきたいです。
そう思うと、私たちが普段友達が家族と交わしている会話、生徒さんとのレッスン、ひとつひとつもお互いを呼応させるライブ空間ですね。

Chie:なるほど、そのようなライブ空間、今のレッスンにも同じことが言えますね。今度、キューバや南米の音楽をご紹介いただけますでしょうか?
Mauさん、踊りが上手なイメージありますので一緒に踊れたらいいですね(笑)


Mau:またまた素敵な勘違いをありがとうございます。
私が踊れるのは、わかめ踊りとチョウザメ踊りぐらいです。今度、酔っ払ったらご披露します・・・人には弱いですが、お酒には強いのであまり酔いませんけど(笑)。

Chie: ありがとうございます、その日を楽しみにしています(笑)ライブのことで、歌詞を覚えてライブに行くとさらに楽しめるかもしれないと思いました。実際に、ライブによく足を運ぶろう者の友人はいますし、音楽の楽しみ方は人それぞれであって、人間は何らかの形で音を感じることが好きなのかもしれないですね。

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今回は連休明けでいつもより短めですが、あらためて「音」を「楽しむ」音楽について
お互いに新たな視点を知る機会になりました。みなさまにとっての「音楽」は何でしょうか?

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by machi-life | 2009-05-08 22:28 | mau+chie life
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