聴こえないわたし 聴こえるわたし ~ことば&暮らし~

それぞれの「ことば」を「知ること」からはじめよう
by machi-life
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第10回(2009.04.24)  "ふたりの出会い" 

「聴こえないわたし」と「聴こえるわたし」がブログをはじめた理由

    ① 聴こえる人から見た「暮らし」、聴こえない人から見た「暮らし」とは何かを知る。
    ② ふたつの「暮らし」の違いや共通点を発見し、相互理解に扶助する。
    ③ 改めて「暮らし」について考えることで、わたしたちが毎日をシンプルにかつ豊かに
      送るための手法を探る。


"聴こえないわたし”-Chie
東京ディズニーランドオープンの年に誕生。手話講師
趣味は、写真、読書、映画鑑賞、ゴルフ

"聴こえるわたし”-Mau
“Imagine”が発表された年に誕生。英会話・スペイン語会話講師
旅、自転車、食べることが好き 


♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆

Chie: こんにちは、暖かくなってきたり少し寒くなったり今が季節の変わり目ですね。

Mau: こんにちは。 本日もよろしくお願いします。花冷えとは言え、寒すぎです~。爽やかな初夏はもうすぐそこなのですが。
今日は、春風吹く季節にふさわしく、ちえさんとの初めての出会いについてお話してみたいと思います。

Chie: 初めての出会い、みなさんにとってもどうやって出会ったのかなと少しくらいは不思議に思ってくれているはず?(笑)

Mau: 初めてちえさんにお会いしたのは、勉強会だったと思うのですが。あれは去年の初夏でしたでか?

Chie: そうですね。講師の為の勉強会として開かれましたね。あの日は岩手と宮城県の地震で
東京駅で新幹線が止まっていました。予定の新幹線がなかなか来なかったので目の前に止まっている新幹線に乗るべきか迷ったのを覚えています。
確か、少し遅れて行きましたよね?


Mau: そうでしたね!思い出しました。

Chie: ぎりぎり着いたので新潟駅で待ち合わせていた方に飛ばして(?)もらいました(笑)。あのとき、地震の影響で新幹線が新潟まで行けるのかどうか、確認したかったのですが東京駅では駅員さんもばたばたしていて、周りに聞きにくい状況でした。
たぶんアナウンスはあったと思いますけど。


Mau: そういった災害時は、どうやって情報を集めるんですか?

Chie: 携帯電話で検索したり、テレビを見ている友人に聞いたり、隣に立っている人に聞いたりします。
その時は直感に頼ってそのまま、目の前に止まっている新幹線に乗りました。


Mau: 自分の直感を信じれるって簡単なようで難しいことだと思います。今は携帯電話があって便利ですね。そんな苦労をしていただいて新潟まで来ていただいたんですね~
ありがとうございます。

Chie: 無事に行けて良かったです、ありがとうございます。直感は不思議だと思います。
初めてお会いしたときは講師の勉強会では、最初に血液型のゲームをしましたね。


Mau: 私も起業して1年という時期でしたが、「講師の心構え」というタイトルをいただいて驚いたことは良く覚えています。お互いに、周りにはいないやり方で動いている者同士ということで、役目を務めさせていただきました。そうですね、第一印象ゲームの中に血液型も入ってましたね。

Chie: 第一印象ゲームでしたね、そのときに参加していた他の講師が時々手話指導に取り入れています。まうさん、とても慣れている方でぜひ教えてもらいたいなぁって思っていました。これも直感でした。

Mau: いえいえ、とんでもない。見事にだまされましたよ、ちえさん!頭は真っ白、身体はブルブルでしたからね。

Chie: ええ〜だまされたんですか、でもそんな風には見えなかったです〜
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Mau: 確かあの頃は、Hさんたちも試行錯誤されていた時期だったと思います。「手話=ボランティア」という概念をくつがえして、他の語学講師同様、プロ手話講師という職を確立していく!という確固たる目標を掲げて本格的に活動を始動されていましたね。

私自身は、いわゆる試験対策を一方的に教える「英語塾」ではなく、お互いに普段の日本語で行っているコミュニケーションを、英語に置き換えられたら楽しいだろうなあ!・・・という発想で起業しました。

「英会話教室=ネイティブ講師&指定教材」が大多数を占める業界の中で、それがその人自身のベストスタイルであれば、それが一番だと考えていますが、そのスタイルはどうやら自分には合わないと感じる人にとっては、もっと他の方法も試すことができたらと以前から感じていました。

どちらがいい悪いと言っているのではなく、それぞれに適した選択肢があれば、よりその人らしく学ぶことができるのではと思っています。

約1年があれからまた過ぎましたが、去年とは違うステージにいることを感じています。
一生懸命もがいてきた日々があったら、見えてきたことがありました。「終わることのない旅」の途中ですが、真剣なお付き合いから生まれる日々の中で見える生徒さん自身の日々の気持ちの変化、状況の変化に合わせて、「講師」のペースで引っ張るだけでなく、時にはゆっくり休みながら学んでいく時間を知りました。
もちろん、時には息詰まって生徒さんと一緒に「!どうしましょう!?」となることもありますが、それでも向き合っていると、ヒントがおぼろげに見えてきます。

Chie: ありがとうございました。そういった背景があったことまでは知らなかったです。ネイティブではできない方法、この点はすごく興味があります。
去年は手話講師を担ってまだ1年足らずだったため、手話を教える前に、講師としての役割は何なのかをきちんと考えたいと思っていましたので勉強会の内容を聞いた瞬間、飛びつきました。

その頃は、手話を教えることばかり頭にあったと思います。学ぶ立場のことを考えるべきという重要なことを、この勉強会で、ハッとさせられました。教えたいことを教えるのはどうか、と考えさせられました。いくら、ネイティブとはいえ、話せることと教えられることは違うのだと実践を通して体感し始めた時期だったので、
まうさんのお話を聞いてさらにその体感が言葉としてつながりました。まだまだ自分は学ぶべきことがたくさんあると実感できました。
講師として行き詰まりを感じていたとき、まうさんの資料で初心に返る想いがしました。
手話と英語の言語は違っていて、講師として言語を教える立場は同じであることを前提に勉強することができました。


Mau: ギャー、赤面してしまいますが、みんな大体同じようなところで悩むものだということで、考えるヒントにしていただければうれしいです。

勉強会のときの出来事で忘れられないことがあります。
皆さんの緊張を解きほぐすために取り入れた、いくつかの問いの中の1つに、「あなたの好きな音楽は何ですか?」がありました。
そのときに、Iさんから「オペラとミュージカルの違いは何ですか?」とにこにこと質問されたのは衝撃的でした。
他の聴者の方々の言葉もお借りして、違いについて説明をしようと頑張ってみましたが、できませんでした。ちえさんには、「音楽は聴いたことがないので分かりません。でも踊ることは好きです。」と言われたと記憶しています。内心、してはいけない質問をしてしまったのではとハラハラしました。

ちょうどこの頃は、ろう者や難聴者の方々と知り合い以上になり始めた頃ですね。たった一年程前のことですが、あの時はいろんなことを聞いてみたいけれど、「気を悪くしたりしないかな?」と心配になって、目の前にいる皆さんに直接疑問をぶつけずに、ろう者の方が書かれた本などを読み漁りました。でも、読めば読むほど分からなくなってきて・・・ある方に胸のうちをお伝えしたところ、「ろう者でもみんなそれぞれ違いますからね~」といとも簡単にお答えしていただいて、拍子抜けしたというか。同時に、バリアーを頭だけで考えようとしていたことに気づきました。無意識ではありましたが、私がろう者の方々と自分の間に線を引いていたのだと思います。それから、いろんなことが随分と楽になりましたし、分からないことは私だけで考えないで、すぐに聞くことにしました。

Chie: 音楽の話について、あまり気に留めていませんでした。でも確かに音楽のことを聞かれるとあまり良く知らないから答えられないというのはありますね。最近、マンツーマンで音楽の魅力、楽しさを教えてくれる方がいて、今までの音楽に対するバリアを壊して、純粋に音楽とは何だろうと少しずつ興味がわいてきました。
たぶん、勉強会の時は「音楽なんてあまり好きじゃない」という気持ちでした。Iさんの質問、私もオペラとミュージカルの違いを説明せよと言われたら、正直ちょっと分からないです。
オペラと言えば、オペラの座の怪人というイメージがあり、ミュージカルはサウンドオブミュージックのイメージが頭の中に浮かぶ感じです。



Mau: 私にとっては、いかに日常的に、言葉にできないことを耳に頼って生活しているのだろうかということを身体で感じる時間でした。終わった後は、ものすごーく普段は使わない機能を使ったように感じて脱力しましたね。気持ち良かったです。今私が教えている会話を中心とした語学は、音に頼って教えているものです。音があるから教えられるとも言えますね。
何度も会話練習を行いながら口と耳で身体にしみこませる練習をします。以前のお話にも出ましたが、ろう者の方々が、どう外国語を学習(定着)されているのかもっと教えていただきたいと思うようになりました。

ところで、ちえさんに音楽の楽しさを教えてくださる方は、どんなことをちえさんに言われているのですか?

Chie: 手話のレッスンで「手話で歌を歌いたい」という方がいました。歌詞を見ながら手話を教えている途中で 「この歌詞はこういう意味ではなくて、別の意味がある」ということを教えてもらって歌を通して日本語の奥深さを垣間見ました。
今までは「歌なんて分からないから関係ない」とあまり興味を持たないようにしていました。手話歌、手話ソングといいますが、手話ソングが嫌いなろう者はいます。というよりも、手話ソングが好きだというろう者はかなり少ないんじゃないかなとも思います。でもその割、車の中に音楽を流している人もいるので手話ソングは嫌いだけど音を楽しむのは好き響き(振動)を楽しむのは好きなのかもしれないですね。私もそれに近いです。


Mau: なるほど~。振動や響き・・・いわゆるリズムを楽しまれているのでしょうか。太鼓を習っている方もハンズのメンバーの中にいらっしゃいましたよね。

Chie: そうですね。逆に、聴こえる方にとっての音楽の楽しみ方ももう少し知りたいですね。

Mau:私は教室に来ると、まず珈琲を入れるのですが、同時にその日の気分によって音楽をかけて楽しんでいます。
朝は、元気の出るような音楽、それこそ振動を感じるようなビートの強いものが好きです。お客様がいらっしゃっているときも、音楽をたいてい流していますが、あえて習われている言語とは異なる言語の音楽を選んでみたり、クラシシックをかけることが多いです。一人で変な踊りを踊っていることもありますね(笑)。見せられませんが。

ちえさんはどう音を楽しんでいらっしゃいますか?

Chie:変な踊り、見てみたいです(笑)その日の気分によって音楽をかけて楽しむということは、服を選ぶような感覚と似ているでしょうか。音は振動として響きを心地よく楽しみます。映画を見るとき、映画館の方がいいと思う時がありますが、音楽を身体で感じることができる場だからだと思います。響きで音を楽しんでいます(微妙な違いまではまだ分からないですが)。
他のろう者からはまた違った意見が出てくると思いますので、将来的にはいろいろな方からのご意見をお伺いしてみたいですね。


♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆  ♪  ☆

今日は記念すべき第10回となりました。私たちにとって「あれ〜?もう第10回!?」と本日になって気がつきました。

いつも読んでくださって本当にありがとうございます。
そして、コメントを残してくださる方や感想を直接お話ししてくださる方がいて本当にありがとうございました。

これからも様々なテーマを取り上げていきますので今後ともよろしくお願いいたします。

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by machi-life | 2009-04-24 15:00 | mau+chie life
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